～♪





千砂都「……っ」


曜「動き、もっと滑らかに！」


千砂都「はいっ！」


～♪


曜「ヒットはしっかり止める！意識出来てない所が目立つよ！」


千砂都「っは、はい！」


曜「……うん、ロールはいい感じ！手の先までウェーブ意識して！」


千砂都「……っ、ふっ……！」


ーーーーーー
ーーーー
ーー
ー

曜「……よし、休憩しよっか！」


千砂都「っ、はい……はぁ」


曜「疲れるよねぇ、ポッピンは」


千砂都「ですね……まあでも、楽しいですから」


曜「そう、それ」


千砂都「え？」


曜「たまに『楽しさ』を忘れてる表情になってるよ。でもちゃんと覚えてるなら良かった！」


千砂都「……元々好きだから、今までやって来てるんです。そんな表情してるって事は、まだまだ修行不足ですね」


曜「張り詰めるのは良い事だけど、張り詰め過ぎるのはダメだからね？」


千砂都「もちろんです！家では好きなダンスだけを踊って発散してますから」


曜「家でもめっちゃ踊るじゃん……」


千砂都「……」


曜「……？」


千砂都「…好きですから！」

曜「…そっか」


千砂都「……」ｺﾞｸｯ


曜「そうそう、来週テレビ出るんでしょ？」


千砂都「そうですね。何か歌手の人が私のファンらしくて、バラエティ番組のゲストとして」


曜「へぇ？誰なの？」


千砂都「まだ詳細来てないので何とも……誰でしょうね」


曜「まあ誰でも、好きでいてくれるのは嬉しいよね」


千砂都「はい、とても！」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


＜～♪


千砂都「……」ｼｬｶｼｬｶ


「お待たせしました、生姜焼き定食です」


千砂都「あ、ありがとうございます」



＜本日のゲスト、Kanonさんです……



千砂都「……」ﾁﾗｯ



＜『待望の新アルバムが出るという事で』


＜『テーマは"友"ですね』


＜『最高の友達に囲まれてたからこそ、今の私がいるので……』



千砂都「……」ﾓｸﾞﾓｸﾞ



(私はまだ、アナタの友達？)


(やっぱり、幼馴染？)



千砂都「すいません、お醤油あります？」



(もしかしたら)


(もう他人だったりしてね)


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ー音ノ木テレビ、楽屋ー



千砂都「……ダブルサプライズって何なんだろね」


海未「向こうも誰が来るか分かりませんし、こちらも誰に呼ばれたのか分からない。だからダブルサプライズらしいですよ」


千砂都「成程ねぇ……」


海未「バラエティのやりそうな事です。まあ話の流れが音楽やダンスですし、向こうは誰が来るかある程度気付きそうなものですが」


千砂都「バレるとダメだから挨拶に行く訳にもいかないし……てかスタッフさんに止められてるしね」


善子「ダメですからね。企画になりませんし」


千砂都「分かってますよー」


善子「……あの、嵐さんって『WATANABE DANCE SCHOOL』でレッスン受けられてるんですよね？」


千砂都「あ、そうですよ。ウチの事務所の運営で」


善子「曜……渡辺さん、元気ですか？」


千砂都「専属の講師です。え、お知り合いなんですか？」


善子「ええまあ、ひとつ上の先輩です。ある意味同期ではあるかな」


千砂都「ほぇー。世間って狭いですね」


善子「ですね。津島が宜しく言っていたとお伝え頂けたら」


千砂都「もちろん！」


＜ﾌﾟﾙﾙﾙ


善子「失礼。もしもし津島です、はい……」ｶﾞﾀｯ

海未「思わぬ所に曜さんの知り合いがいましたね」


千砂都「曜さん知ってるのかな、津島さんがテレビ局にいるってね」


海未「どうでしょう。意外と曜さんの交友関係は知りませんし…私は千砂都さんのマネージャーですしね」


ﾋﾟｯ


善子「……そろそろ本番です。移動お願いします」


千砂都「はーい！行ってきますね、海未さん！」


海未「ええ、お気を付けて」


ーーーーーー
ーーーー
ーー
ー

ースタジオ、カーテン裏ー



善子「私が合図したら開けますので、そのままでお願いします」


千砂都「普通にしてて良いんですね」


善子「まあ多分驚くと思うので、その画は欲しいですね」


千砂都「ほほう、言いますね。そう言われると絶対驚きたくないなぁ」


善子「いやそこは企画に則りなさいよ！」


千砂都「あはは！私、そっちの素の津島さんの方が好きだなぁ」


善子「本音と建前は使い分けるもんでしょ。仕事ってのは、もう1人の私が必要なの」


千砂都「成程ねぇ。ってか津島さんって年齢も同じ位だよね？良かったらお友達にならない？」


善子「……」


千砂都「ねっ。今度一緒にご飯でも！」


善子「マジ陽キャ怖……ああもう分かったわよ！あとで連絡先交換させて頂きますので、今は目の前の企画をしっかりお願い」


千砂都「はーい♪」


善子「はぁ……準備いい？行くわよ」


千砂都「ふぅ……うん、大丈夫」


善子「嵐さん準備良し。ゲート開けまで3、2……」


ﾊﾞｯ

聖良「本日のサプライズゲスト、嵐千砂都さんです！」


＜「わあ！やっぱりあのダンサーの人だ！」


＜「本物かわい～っ♡」


千砂都「こんばんは、お呼び頂きありが……っ！！」



＜「ちぃーちゃーん！！まさかちぃちゃんが来てくれるなんてっ！」ﾌﾘﾌﾘ



千砂都「……かのん、ちゃん」


聖良「ダブルサプライズでした。嵐さんにも、どのゲストに呼ばれたのかお伝えしてませんので」


かのん「えぇ～っ！？ちぃちゃんも私がいるって知らなかったんだぁ！？」


千砂都「……うん、そうなの。ビックリしちゃったよ」


善子「……？」


聖良「どうぞ、こちらのお席へ！」


千砂都「ありがとう……ございます」


ーーーーーー
ーーーー
ーー
ー

聖良「Kanonさんと嵐さんは学生時代、同級生だったとか」


かのん「同級生で幼なじみですね。いやぁ懐かしいねぇ」


千砂都「だね」


聖良「しかも、スクールアイドルをやられてたんですよね？」


かのん「そうですそうです！9人で、ね？」


千砂都「Liellaかぁ、これまた懐かしいね」


聖良「そのLiellaについて、結成秘話やエピソードの再現Vがあります。皆さんで観てみましょうか」


かのん「おお！いやちょっと恥ずかしいかも……ね、ちぃちゃん」


千砂都「……」


かのん「……ちぃちゃん？」


千砂都「ぅえっ！？あ、だね？！いやあ昔のどんな話が観れるんだろ！？」


かのん「？」


善子「……」

＜私かのん！澁谷かのんって言います！


＜もう、かのんちゃんのばか！



「たはは……第三者視点で見るとやっぱ恥ずいな」


「……」


(ここに座った時からずっと違和感があった)


(隣に座ってるのはかのんちゃん。それは間違いないのに)


(何だか……別人が話してるみたいな感覚)


(芸能に慣れたからかな。善子さんも言ってたな)


(もう1人の誰かが、かのんちゃんの代わりに喋ってる様な)


(……しかもそのもう1人、見た事ある人な気がする)


「ちょっと！あんな事言った覚え、ないったらないですよ！？」


「ふふふ、あくまで再現VTRですので悪しからず」


(ああ)


(多分すみれちゃんだ)


(ずっと一緒なんだ)


(……昔から)


ーーーーーー
ーーーー
ーー
ー

ー収録後、楽屋ー



千砂都「戻りました……っと」


海未「お疲れ様でした。今車を回してくるので、少しお待ち下さい」


千砂都「ありがと」


＜ｶﾞﾁｬｯ


＜ﾊﾞﾀﾝ


千砂都「……はぁ」


千砂都(挨拶……してきた方がいいよなぁ)


千砂都(……なんかちょっとヤダかも)


＜ﾄﾝﾄﾝﾄﾝ


千砂都「っ！ど、どうぞ……」


「失礼しまーす」ｶﾞﾁｬｯ


千砂都「……何だ、善子さんか」

善子「何だとはご挨拶ですね。お疲れ様でした」


千砂都「こちらこそ。楽しかったです」


善子「……ほんとですか？」


千砂都「え」


善子「なんか乗り気じゃないのかなって思いましたが、あれで隠してたつもりですか？結構分かりやすかったけど」


千砂都「それ、は……」


善子「……Kanonさんがいたから？」


千砂都「！」


善子「図星か。まあ別に詳細を皆まで聞く気は無いけど」


千砂都「……」


善子「……はぁ」


ｽｯ


千砂都「え」


善子「連絡先。交換して頂けるんでしょ」


千砂都「……うんっ、是非」

善子「まあホントは演者と私的に交換するのはあんま良くないんだけど……」


千砂都「別に女優でも無いし、私位なら何も言われないよ」


善子「卑下はしなくていいわよ」


千砂都「……つい」


ﾌﾙﾌﾙ


善子「……これでよしこ。後で一言送っとくわ」


千砂都「うん、ありがとね」


善子「ん」


＜ﾄﾝﾄﾝ!


善子「はい？」


＜「かのんです！入っていいですか？」


善子「！」


千砂都「……」


善子「え、えっと、その……」


千砂都「どうぞ！」


善子「……っ」

ｶﾞﾁｬｯ


かのん「失礼します！ちぃちゃん、お疲れ様！あ、津島さんもいらしたんですね！」


善子「あ、はい……」


千砂都「お疲れKanonちゃん！ホント久しぶりだね！」


花陽「マネージャーの小泉です。今日はありがとうございました！」


千砂都「こちらこそです！すいません、私のマネージャーは今……あっ」


海未「千砂都、車の用意が……随分大所帯ですね」


千砂都「あ、海未さん！」

花陽「お疲れ様です！Kanonのマネージャー、小泉です」ｽｯ


海未「ご丁寧に痛み入ります。嵐のマネージャーの園田です」ｽｯ


かのん「名刺交換会始まっちゃった」


千砂都「あはは……」


かのん「ちぃちゃん、最近どう？元気そ？」


千砂都「うん。"昔から"変わらずダンス一筋」


かのん「私も！……と言っても、実は今度ドラマ出るんだけどね」


千砂都「え、ゲストでって事！？」


かのん「うん、主演がすみれちゃんでね！歌手役でちょいっと」


千砂都「っ、へぇ……」

善子「あKanonさん、それあんまり言わないで下さいね。情報公開もまだなので……」


かのん「あっすいません！危なー、口滑らすとこだった」


善子「だいぶ滑ってましたけど」


千砂都「よし……津島さんもかのんちゃんの出るドラマに関わってるんです？」


善子「あ、ええまあ。助監督ですけど」


かのん「ちぃちゃんも出して下さいよ津島さん！」


善子「無茶言わないで下さい」


かのん「ですよねー」


花陽「ごめんねKanonちゃん、そろそろ……」


かのん「あっほんと？……よっし！じゃあ、また会おうね！ちぃちゃん！」


千砂都「うん！……またね！」


＜失礼しましたー


千砂都「……はぁ」

善子「……」


ﾌﾟﾙﾙﾙ


ﾋﾟｯ


海未「はい、園田です。はい、すいませんちょっとお待ち下さい」


海未「千砂都、先に車に乗っておきます。ゆっくりで大丈夫ですから、後から来て下さいね」


千砂都「ん、分かった。すぐ行きます」


海未「急がなくて良いですからね」


＜ｽﾀｽﾀ…


千砂都「……ふぅ、じゃあ帰るかな」


善子「まあ、大丈夫そうで安心したわ」


千砂都「ほんと？役者の才能あるかな」


善子「収録の時よりは良かったわよ。アレは突然の事で面食らっただけだったのね」


千砂都「んー……まあ、そうかな」


善子「……そう」


千砂都「さて……じゃあまた宜しくお願いします。LINEしますね」


善子「はい、こちらこそ宜しくお願い致します。ありがとうございました」


＜ﾃｸﾃｸ


＜ﾊﾞﾀﾝ


善子「……私とおんなじ感じなのかしら」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


ーWATANABE DANCE SCHOOLー



曜「……え、善子ちゃんと会ったの！？」


千砂都「はい、音ノ木テレビで……スタッフさんでした」


曜「そうだったんだ……全っ然知らなかった」


千砂都「宜しく伝えて欲しいって言ってました」


曜「そっか。ありがとね！久しぶりにLINEしとく！」


千砂都「そうしてあげて下さい！」


曜「ん！じゃあやっていこうか。まず曲はこれで……」


ーーーーーー
ーーーー
ーー
ー

～♪


千砂都「……っ、と……はぁ」


曜「……うん、1回止めよっか」


千砂都「はいっ、はぁ」


曜「水分取ってね」


千砂都「はい……」ｺﾞｸｯ


曜「……ちぃちゃん」


千砂都「はい？」


曜「なんかあった？」


千砂都「え？」


曜「なんっか…うん、表情だけじゃ無いんだけどさ……」


曜「"暗い"。全体的に」


千砂都「……そう、でしたか」


曜「次の大会では暗さはちょっと排除したいな。勿論、それはそのまま持ってて欲しい要素ではあるから捨てない事」


千砂都「すいません……」


曜「いや、悪い事じゃないんだよ。ただ今は明るい表情を見せて欲しいかな」


千砂都「明るい、ですか」


曜「うん。自分こそ"スーパースター"だって感じを出して欲しい」


千砂都「スーパースターか……」

曜「……そうだ、1回友達とかと羽根伸ばしても良いかもね。最近はレッスン詰め詰めだったし」


千砂都「……」


曜「ちぃちゃんにとっての輝きって何かを見つめ直す為に、ね」


千砂都「成程……やってみます」


曜「ん！じゃあもっかい通してみよう。次は明るさを表に出して……」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


善子「……で、何で呼ばれた訳。あたし」


千砂都「いや、善子ちゃん暇そうだったし」


善子「テレビスタッフが暇な訳あるか！！……まあ、たまたま休みだったけど」


千砂都「じゃー良いじゃん！」


善子「はぁ……何？飲み？ご飯？」


千砂都「どっちでも良いよー。両方でも」


善子「おま、誘っといて丸投げかい」


千砂都「そういうの決めるの下手でさ」


善子「ったく……アンタ確かプロフィールにたこ焼き好きって書いてあったわよね」


千砂都「わあ、ちゃんと見てくれてるんだ！」


善子「制作側なんだから当たり前でっしょー。じゃあ、とりあえず……」


ーーーーーー
ーーーー
ーー
ー

ー銀だこ酒場ー



善子「枝豆とハイボールで。あとネギだこを下さい」


千砂都「私コークハイ！あとてりたまで！」


「かしこまりましたー！」


善子「……どう、ここなら丁度良いんじゃない」


千砂都「うーん、タコ焼き久しぶりかも」


善子「好物の割に久しぶりなのね」


千砂都「スーパーの割引とかはたまに食べるかな、出来立てアツアツは中々……」


善子「スーパーの奴ってあっため過ぎたら直射日光で溶けそうになったスーパーボール位へにょへにょにならない？」


千砂都「あっはっは！！なるなる！」


「失礼します！お先コークハイとハイボール、枝豆です！」


善子「ありがとうございます」


千砂都「どうもー！」


善子「じゃあ、お疲れ」


千砂都「善子ちゃんも。急に誘ってごめんね」


善子「ほんとよ……」


ｷﾝｯ…


ーーーーーー
ーーーー
ーー
ー

善子「あっつ！」


千砂都「やっぱり出来立てだねぇ、いやぁまるいまるい」


善子「まる……？」


千砂都「てかさ善子ちゃん、曜さんと友達なんだね？」


善子「友達ってか……まあそうね」


千砂都「何、そのイマイチ煮え切らない返答」ﾓｸﾞﾓｸﾞ


善子「……スクールアイドルやってたのよ。私たち」


千砂都「っ、ごほっごほっ！？えぇ！？ホントに！！？」


善子「廃校を阻止したくて入学希望者を集める為にやってたんだけど……ダメだったの」


千砂都「それは……」


善子「まあ、今となっちゃ良い思い出よ？別にグループ内不和とかあった訳じゃないしさ」ｺﾞｸｯ


千砂都「へぇ……頑張ってたんだね。善子ちゃん」


善子「ふふ、まあね」


千砂都「じゃあ曜さんと善子ちゃんは同じグループで切磋琢磨してたと……厳しかった？練習」


善子「トレーニングキツかったけど……あの人は平気な顔してこなしてたわ」


千砂都「あははっ！昔から変わってないんだねぇ曜さん」

善子「てか、あなた曜さんからレッスン受けてて曜さんの事そんなに知らないわけ？」


千砂都「あんまり自分の事は話さない人ではあるかなぁ。てか私もレッスン中は集中しちゃってるから、話そうって思った事もあんま無いしね」ｺﾞｸｯ


善子「まあ、そんなもんか」


＜～♪


善子「……あ」


千砂都「え？」



＜「この後は新ドラマ！」


＜「平安名すみれ主演『あの日、神津島で』はCMのあと！」



千砂都「……あぁ、あれ？」ﾕﾋﾞｻｼ


善子「そ。まあ私が関わるのは5話と9話だから」


千砂都「そのどっちかに……かのんちゃんも出るんだ」ｺﾞｸｯ

善子「えーと確か……9話ね。分かってると思うけど口外禁止よ？」


千砂都「分かってるよ……すみれちゃんとは？」


善子「前に違うドラマでお会いしてる。てか平安名さんとも同級生なんでしょ？」


千砂都「……」


善子「え、何？仲悪いの？」


千砂都「え？いやいや、仲は良いよ！？」


善子「その狼狽え様だと仲悪いって邪推するわよ」


千砂都「いやホントに……」


善子「……」ｺﾞｸｯ


千砂都「………私が勝手に、イヤがってるだけで」


善子「……」


千砂都「あちち……」ﾓｸﾞﾓｸﾞ

善子「やっぱ、同じだったか」ﾎﾞｿｯ


千砂都「んえ？」


善子「アンタKanonさんの事好きでしょ」


千砂都「……」


善子「で、当の本人は平安名さんとそういう仲。と見て間違いない……とか」


千砂都「……ってか、高校卒業ちょい前からもうそういう関係だったかな。まだ続いてるって……この前確信した」


善子「うん。アンタ私と一緒」ﾓｸﾞﾓｸﾞ


千砂都「え」


善子「私、曜さん好きだったのよ」


千砂都「っ！？」

善子「だけど特に何も言わなかった……まあ、陰キャだし言えなかった。が正解かな」


善子「案の定、同じグループの人と付き合ったわよ。多分……今も」


千砂都「そう、だったの」


善子「あたし達、境遇ほぼ一緒だったって事」


千砂都「わあ……」


善子「んでこの前のテレビで自分が気まずいまま会っちゃった。だから今日会った時もソレを引きずってたから暗かったってとこか」


千砂都「あはは、善子ちゃんも分かっちゃったか……凄いね」


善子「別に凄かないわよ。でもお酒飲んだ時から随分明るくなったから、こっちとしては良かったわ」


千砂都「ごめんね、誘っといて」


善子「いーの。何だか他人な気がしないし。境遇も含めてね」ｺﾞｸｯ


千砂都「曜さんにも言われたんだ。今日のレッスンも暗かったらしくて。だから明るさを取り戻す為に友達と羽根伸ばしてきなって」


善子「ふーん、それで私に黒羽の矢が立ったのね」ｺﾞｸｺﾞｸ

千砂都「うん、そういう事……"黒羽"？白羽じゃなくて？」


善子「私に頼るって事は、白羽は黒羽になるってワケ」


千砂都「うん……何言ってるの？」


善子「先にアンタと同じ苦しみを体験し終えたこのヨハネに、何でも聞くと良いわよ！」


千砂都「いやソレは嬉し……あ分かった！！善子ちゃん酔ってるね！？」


善子「酔ってらい！！」


千砂都「あーあー、ゆでダコじゃん……ひっくり返したろか？！」


善子「望むとこよ！！！はい1軒目終わりでーす！！」ﾋﾟｮｰﾝ


「お客様！？」


千砂都「ちょ、アクロバット辞めて！！www」





ーーーーーー
ーーーー
ーー
ー

～♪


曜「……うん、うん！おっけ、1回止めとこ！」


千砂都「っはぁ、はぁ……どうでしたか？」


曜「ちーちゃぁーん……思いっきり羽根伸ばせたっぽいねぇ」ﾆﾔｰ


千砂都「え、はい。それはまあ……」


曜「良い！！めちゃめちゃ明るくなった！！動きも付随して大きく見せられる様になって来てる！」


千砂都「……っ！！ありがとうございます！」


曜「こりゃあ良い友達がいるとみたヨーソロー。同級生とかかなん？」


千砂都「ああ……実は津島さんなんですよね。私たちかなり気が合って」


曜「マジ！？善子ちゃんとちぃちゃんか…あでも確かに意外と波長合うかも？」


千砂都「……ええ、意外な所が合うんですよね」


ーーーーーー
ーーーー
ーー
ー

善子「……ちょっと、そんな酔っといて出来るもんなの？」


千砂都「分かんない。でもまあ、ノリでやってみる！」


善子「お、おう……」


ﾋｭｯ


＜ｽﾀﾝｯ!


＜「LOW TON、プレイヤー２ WIN！」


千砂都「ハイきたっ！！さぁ善子ちゃん、どのクライナーにする？」


善子「負けたし……あ、クライナーは確定なの！？マジで言ってる！？」


千砂都「そもそも1回戦目は私負けてるから2本空けてるしね。負けた方が飲む約束でしょ！」


善子「……っあぁもう、知らないわよ！？すいません、クライナーのワイルドベリートニックとエルダーコラーダを下さい！」


千砂都「ふふ、そう来ないと！」


ーーーーーー
ーーーー
ーー
ー

千砂都「善子ちゃん、これ持ってけばいいのかな？」


善子「ええ……あのさ、今更だけどホントにいいの？」


千砂都「良いんだよー。中々お金も無いし、あと色々やっといた方がダンスの為にもなるしさ」


善子「だからって何でスタッフ側のバイトするかな……疲れるだけでしょ」


千砂都「楽しいよ？善子ちゃんいるし」


善子「いや私も気心知れてるのが1人いるだけで大分違うけどさ……」


＜津島ー！カメラ回すぞー！！


善子「了解でーす！千砂都、バミリ外してきてくれる？」


千砂都「おっけ、全部取ってくる！」


ﾄﾃﾃ


千砂都「足元すいませーん！」ﾋﾟﾘｯ


しずく「あ、すいません。ありがとうございます」


千砂都「いーえー」


絵里「あなた、バイトさん？」


千砂都「あ、そうなんです。今日だけですけど」


絵里「やっぱりね。見た事無い顔だったから、つい」

千砂都「こっちはよーく知ってます。大女優の絢瀬絵里さんに、若手で1番って話題の桜坂しずくさん」


しずく「そんな。私なんてまだまだです」


絵里「謙遜しないのよ。今度のアカデミーノミネートされてるじゃない」


しずく「絵里さんこそ。去年も主演女優賞取ってるじゃないですか」


絵里「でも今年は体調崩しちゃったし……どうなるかは分からないわ。金色のダークホースの噂も聞くしね」


しずく「負けてられませんね。無論、主演女優賞狙ってますから」


絵里「ふふ、期待してるわ」


千砂都(会話のレベル高～～～っ！！)


善子「千砂都、早くハける！！」ｺｺﾞｴ


千砂都「す、すいませーん！！」ﾀﾀﾀｯ


監督「大丈夫そうかな？よし、始めようか」


カメラマン「回った！」


善子「はい、Aカメ カット5！」ｶﾁﾝｯ


千砂都「……」


善子「よーい………はいっ！！」


ーーーーーー
ーーーー
ーー
ー

ー善子家ー



＜『私のアルバム、聞いてくれた？』


＜『当たり前でしょ』


＜『神津島で、一緒に聞く約束だったじゃない』


＜『……ふふ、そっか』



善子「ちょっと、録画してんだから見ないでよ」


千砂都「いやあ……はは、つい気になってさ」


善子「……まあ、そりゃそうよね」



＜『またね。今度は、あなたがビックリするくらい大きなステージの上で』


＜『……ええ、そこで会えるの待ってるわ』



千砂都「……はは、特に変わってないじゃん」


善子「何が？」

千砂都「いつも通りの2人ってこと。高校の時との違いは、私が横で見てるんじゃなくて……まさかのテレビ画面ってだけ」


善子「……辛くない？」


千砂都「辛くないって言ったら嘘」


善子「……」


千砂都「……」


善子「千砂都は……諦めてないの？」


千砂都「よく分かんないかな。確かにあの時、少しでも私の気持ち伝えてればとは、よく思うけど……」


千砂都「幼馴染としてかのんちゃんが今、幸せなら……それで」


善子「…そうよね」


千砂都「皆仲良し、なら最高じゃん？だから、私がいつも通りの幼馴染を……」


千砂都「……いや、友達を演じてれば」


千砂都「まぁるく、収まる話」

善子「……」ｺﾄｯ


千砂都「……また暗くなっちゃった、ごめんごめん」


善子「良いわよ」


千砂都「あ、コークハイありがと」


善子「ティッシュ使う？」


千砂都「うん、2枚位」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


曜「ちぃちゃん、SNSやってたっけ？」


千砂都「Lトックとか、Lスタグラムとかですか？個人用としてしか……」


曜「大会前に一応、SNSしとこうか。まあ今更やるのは遅いけど、大会で優勝した後バズるでしょ」


千砂都「優勝は確定事項なんですね……」


曜「当然。正直他のとことかリサーチしてるけど、ちぃちゃん余裕だと思うよ」


千砂都「そう言って貰えるだけで」


曜「あとは当日まで、明るさを忘れない様に」


千砂都「はいっ、勿論です」


曜「まあSNSの方はお任せするよ。好きな様にやって！ここで得られたファンは次に活かせるからラッキー、程度に思っておいて。重視し過ぎないように！」


千砂都「分かりました！」


ーーーーーー
ーーーー
ーー
ー

ー原宿、喫茶店ー



千砂都「って事で」


善子「……え何で？呼ばれた理由が分かんないわ私」


千砂都「LINEしたじゃん。Lトック用の短めのダンスムービー撮って欲しいって」


善子「私カメラマンじゃないけど？！」


千砂都「でもそっちの業界にいるんだし、私よりはカメラ割りとか分かるでしょ？」


善子「そりゃそうだけど……はぁ、しょうがないわね」


千砂都「いえい、ありがと善子ちゃん！」


善子「まあ一応案は色々考えてきてるわよ、しょうがないからね！」


千砂都「ホント？どこまでも優しいなぁ善子ちゃん」


善子「千砂都は今まで投稿とかはしてなかったのよね？」


千砂都「うん。見るだけだね」


善子「となると……前から投稿してたとかなら一定の人数見てたりするけど、そもそもゼロか」


善子「んでまあダンス素人って訳じゃないし……あ、Lトックって曲何でも使って良いのよね」


千砂都「何でもあるからね、選り取りみどり。ダンスに合うかはさて置き」


善子「その大会？まで日取りがあんまり無い。となると、すぐさまスワイプされない様に最初の衝撃は必要。意味分かるわね？」


千砂都「うん、というと？」

善子「って事で、はいこれ」


千砂都「……え何これ」


善子「お面」


千砂都「お面」


善子「梟の」


千砂都「梟の……何でぇ！？」


善子「SNSなんてずーっとやり続けてりゃ人気はついてくんのよ。でも今回はゼロからなのよ？万View行けば御の字レベル」


善子「だからこそアンタは初見のインパクトを出せないといけないの。お面被ったダンサーはそこまでいないからまずはそのジャンルにアンタをねじ込む」


千砂都「はぁ……」


善子「フルフェイスでも無いし良いでしょ。鼻から下は出てるし」


善子「んでアンタが大会出たあとに『この人あの大会出てた嵐さんじゃない？』的な要素をこの動画で振りまいとけば、あとあと付加価値が付く。そこでやっと……まあ行って3000フォロワーかな。お分かり？」


千砂都「……まあ、ゼロからだもんね。この位はした方が良いか」


善子「ん。ご理解頂けた様で何より」


千砂都「じゃあ……やろっか」


善子「そうね。サ店でマスク出してやろうかとか言ってたら、強盗か何かに間違われそうだし」


千砂都「あはは…」

善子「でも来たばっかだし1杯位はコーヒー飲ませてね」


千砂都「それは勿論。何ならチョコケーキでも食べる？」


善子「マジ？いいの？」


千砂都「こんだけしてくれてるんだから、その位当たりまえっ」


善子「じゃあ……是非とも」


千砂都「買ってきまーす！」ｶﾞﾀｯ


＜ﾄﾃﾄﾃ…


善子「……有難い事で」ｽﾞｽﾞｰ


＜ﾋﾟﾛﾝ


善子「ん？陰キャの私に来る通知なんて上司かニュース位で……」


『シンガーソングライター Kanon、次回前期朝ドラでヒロイン役をーーー』


善子「……わお」


善子「……」ﾁﾗｯ



＜チョコケーキと…キャラメルケーキを！……あない？じゃあ、チョコスコーンで！



善子「………まだ言わなくていっか」


ーーーーーー
ーーーー
ーー
ー

ー原宿通りー



千砂都「この路地とかどう？」


善子「まだ少し早い時間だしね。人いなくて良かったわ」


千砂都「ちょっとだけストレッチするねー」ﾉﾋﾞｰ


善子「はいはい……曲は決めたの？」


千砂都「あー、取り敢えずやってみたい奴はこれかな」





善子「あー……これバズったのそこそこ前じゃない？いいのこれで？」


千砂都「私もそう思ったけど、やりたくないのやってバズるよりやりたいのやって細々と……の方が良いのっ。別にやりたくないのなんて無いけどね」


善子「まあ、あんたがそう言うなら……オトナブルーとかじゃなくていいのね」


千砂都「あ、それもあるか……よしっ、じゃあ早速」

善子「ちょっと待って、私もLトックは見るだけだったから撮影は初めてなのよ。慣れさせて」


千砂都「練習しといてよう」


善子「しょーがないでしょー！？こちとら普通だったらLトックに縁の無い陰キャなんだから……」ﾎﾟﾁﾎﾟﾁ


千砂都「別に陰キャでは無いと思うけどなぁ……」ﾉﾋﾞｰ


善子「あーはいはいそういう感じね……カット編集もいらないのか…楽だわこれは……」ﾎﾞｿﾎﾞｿ


善子「……これでよしこ。ちょっとテスト行ってみよう」


千砂都「ん、はーい」


善子「はいテストー！よーい……」


善子「……はいっ」ﾎﾟﾁｯ


＜～♪


ーーーーーー
ーーーー
ーー
ー

＜ｶﾞﾔｶﾞﾔ…


「さてと。曲、決めてるわよね？今日は？」


「実は迷っててさ。FinesseとJust Wanna Rockどっちがいいかな？ダンス動画見てみて」


「どれ……あー、カメラマンとして推したいのは前者の方かしら。仮にもダンサーなんだしこっちの方がダンスしてますよ感出てる気がするわ。素人意見で恐縮ですが」


「それもそうか……じゃあFinesseで行こう。てか、この前のは今のところ結構再生されてるよね」


「そうよね。まあ正直運も絡むから……ラッキーってのもあるわ。19時位に出したし」


「今日はアキバで、しかも夜！映えますなぁ」


「平日なのに人通り多くて恥ずかしくなってきたわ。早くやって」


「やるの私じゃん！？マスクまで被ってさ！？」


「撮ってる方も視線は集まるでしょうよ！！慣れないのよ！！」


「何さー！善子ちゃんのばか！」


「うっさいわ！！はよやりなさい！！」


「もうっ！」


「はい、よーい……」


ﾋﾟﾛﾝ


「あごめん待って、通知」


「切っといてぇ！！？」

「ニュースは中々通知切れないでしょ……あっ」


「え？なになに、事件のニュース？」


「……まあ、ある意味」ｽｯ


『シンガーソングライター kanon、年末アキバドームでのワンマンライブ決定ーーー』


「……わあ、すっごいね」


「……」


「めでたいなぁ……ニュースで先に知るとは思わなかったよ」


「……千砂都」


「…さ、やろっ？あ、携帯置いとくね。落としたらやだもんね」


ｺﾄｯ


「……そうね……じゃ、よーい！」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


＜ﾋﾟﾛﾝ


かのんちゃん:ちぃちゃんちぃちゃん、ワンマン決まった！！！！！！！！！


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

『DANCE BATTLE 2023』



「ちぃちゃん！表情、忘れない様にね！」


「分かってます！」


＜ﾜｧｧｧ……!!


MC『おーおーとんでもねぇ盛り上がりだな！！お前ら楽しんで踊ってくれよ！！』


「……ふぅ」ｷﾞｭｯ


「千砂都」


「……あ、善子ちゃん！」


「まあ、私はダンスの事全っ然分かんないけどさ」


「……」


「何かもう……暴れて来なさい！！」


「…うん！！！」

「……あれ！？善子ちゃん！？」


「はい？……よよよ、曜！？！？」


「そうだったそうだった！ちぃちゃんと仲良いんだもんね？わざわざ来てくれてありがとうね！」


(しくったー！！そりゃ千砂都のコーチなんだしいるわよねぇ！！)


「あー、いやまあ友達だから当然よ」


「流石堕天使ヨハネちゃん！」


「善子！！」


「……あ、そういえば幼馴染さんって来てないのかな？まぁ、いるとしか聞いた事ないけど」


「っ！！」


「……」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


ちぃ:かのんちゃん、来れそう？
(19:32)


かのんちゃん:最悪過ぎる！！その日撮影なんだよぉ……😭
(20:05)


ちぃ:朝ドラだよね？じゃあしょうがないよ！
(20:06)


ちぃ:頑張ってね！！🙆🏻‍♀
(20:06)


かのんちゃん:勿論！！どうが出るよね！？絶対みるから！ー！！！
(20:34)


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「千砂都……」


「……善子ちゃん！！」


「はい！？！？」


「一緒に踊る！？」


「何を言っているのかしら！？！？」


「あっはっは！！ジョークが言えるなら大丈夫そうだね！！」


「全部出し切ります、曜さん！！」


「その意気！」


「楽しんできなさいよ！！」


「……うんっ！！」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


ー渋谷駅前ー



千砂都「……朝から暑くなってきたなぁ」


＜ﾀﾀﾀｯ


善子「はぁ、はぁ……お待たせ」


千砂都「お疲れ善子ちゃん……え、走ってきたの？」


善子「私が今日大丈夫って言ったのに寝坊しちゃってさ。焦っちゃって」


千砂都「別に、少し位遅くなったって良いのに」


善子「それは申し訳ないでしょ……で、千砂都」


千砂都「ん？」


善子「優勝、おめでとう」


千砂都「……ありがとう！」

善子「祝勝会とかはしたの？」


千砂都「次の日にね。曜さんと海未さんとで」


善子「海未さん……ああマネージャーさんか」


千砂都「善子ちゃんがわざわざ別日に直接祝うって言ってくれた時、凄い嬉しかったよ」


善子「まあ、社会人になってから初めてまともに出来た友達だし」


千砂都「普通に嬉しいよ。ほんとに」


善子「……そ」


千砂都「顔赤いね。走ってきたから？」


善子「そうよ」

千砂都「へへ……さて、どうしよっか？何か良いとこあるかなぁ。まだ10時過ぎだし……」


善子「……」


千砂都「……善子ちゃん？」


善子「ねぇ、千砂都」


千砂都「……ん？」


善子「その……さ」


千砂都「うん」


善子「えと……」



(かのんさんからおめでとうは来たの？)


(私と一緒に暮らさない？)


(今は1番、あなたの事が気になって……)



千砂都「もう、なぁに？善子ちゃん」

＜ｻﾞﾜ…



善子「……？」



＜見ろよあれ


＜おお、マジか？


＜これ荒れるんじゃね？



千砂都「なんだろ……？」

善子「…千砂都……」ﾕﾋﾞｻｼ


千砂都「え何、ビジョン？」




『速報』


『女優 平安名すみれ、シンガーソングライターKanonとの熱愛報道を受け』


『両事務所共同で声明。認める方針』


『平安名すみれさん、kanonさんは記者会見を……』

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「…………っ！！！」


「千砂都っ！」


「…あはは……」ｸﾞｽｯ


「……」


「きっと、いつかこうなるって……私、分かってた筈なのに」


「千砂都……」


「ごめん、善子ちゃん」


「…………泣けばいいじゃない」


ｷﾞｭｯ


「……っ」

「前も言ったでしょ」


「アンタの苦しみはもう、私が昔に体験済だって」


「アンタの……千砂都の辛さは、今は私が1番分かる」


「私もう……かのんちゃんに逢えたとしても、素直に喜べないかも」


「だって、こんな弱い私見たらかのんちゃんは、ガッカリするから……っ！！」


「アンタのどこが弱いのよっ！」


「あれだけデカい大会で、ずーっと笑顔で踊り続けたアンタの、どこが」


「善子ちゃん……」

「かのんさんに、次に会えた時は胸張って『私は、今が最高』って言える様に、踊り続けてれば良いでしょ」


「私にはあんなに凄い幼馴染がいるんだって、"もう一度"刻み込んでやりなさい」


「……強いよね、善子ちゃんは」


「………こんな事しか、アナタに言えないのよ」


「初恋が無くなるあの苦しみは……」


「こんなに辛いなんて、思ってなかったよ」ｸﾞｲｯ


「あちょ、千砂都っ」

ﾋﾗﾋﾗ


「あっ、梟のマスク！！」


「撮ってもいいよ、120秒間」


ﾀﾀﾀｯ


「千砂都、何をーーー」

＜『……突然の事なのにお集まり頂き、ありがとうございます』




＜……お？撮影か？


＜鳥か何かのマスクで……すげ、ダンサーか


「千砂都……」


ｽｯ



＜『…はい、私とすみれさんは……お付き合いさせて頂いてます』



(かのんちゃん、見てる？)


(見てる訳が無いか。記者会見してるし)


(凄いよね、かのんちゃんとすみれちゃん。全国放送で付き合ってる事言えるようになるなんてさ)



＜私あの人知ってるなぁ、Lトックやってる人だ


＜あー『Pink_Owl225』か。良いよね


＜ゲリラ撮影しまくる子だよ。てかなんか、最近どっかで見た事ある様な……

＜『はい、高校時代からの友人です。本当に楽しい日々を……』



(私、こんな事してるけどさ。かのんちゃんはどう？最近)


(私、すっごい楽しいよ。最高の子にも出会えたしさ)


(私、ずっとずっと踊り続ける。今決めたんだ)


(善子ちゃんと、かのんちゃんの為に)


ｽｯ


「……え？あたし？！今撮ってるのに！？」


「良いじゃん、たまにはさ！」



＜『はい！私たち、凄い気が合って……なんでだろうね？』


＜『説明出来る物じゃないでしょ、そういうのは』


＜『えへ、それは確かに』



「スクールアイドルだったんでしょ？だったら、合わせて」


「そんなん言われても……っ」



＜へーカメラの人も踊れんだ


＜あ、マスク取るのね




＜……あぁーっ！？嵐千砂都さんじゃん！？！？

「ちょ、何年っ、振りに踊るとっ、思ってんのよっ！！？」


「今は善子ちゃんと踊りたいのっ！」


「アンタ……もうっ、あと30秒も無いわよっ！！」



＜『うーん、でも何て言うかなぁ。恋人って言うよりは……』



「そう来ないと！だって善子ちゃんはーーーー」



＜『あ、そうだね！だってすみれちゃんはーーーー』

「私の、1番の友達だから……！！』

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ーCASTー


ダンサー:嵐千砂都


テレビスタッフ:津島善子


シンガーソングライター Kanon:澁谷かのん


女優:平安名すみれ


WATANABE DANCE SCHOOLコーチ:渡辺曜


千砂都のマネージャー:園田海未


Kanonのマネージャー:小泉花陽


司会:鹿角聖良


大女優:絢瀬絵里


若手女優:桜坂しずく

ーMUSICー



(Kan Sano - Ride On The Back To Back)



(Kendrick Lamar - i)



(Patrice Rushen - Forget Me Nots)



(東京事変 - スーパースター)



ーBased On A Story Byー


ラブライブ！スーパースター!!


東京事変 - スーパースター


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ラストシーン以外思い付かなくて2ヶ月経ったので初投稿です

過去作抜粋↓


絵里｢雨の日のコーヒー｣

穂乃果｢第一次音ノ木坂抗争｣

絵里 ｢真夜中に｣ にこ ｢愚痴を肴に｣ 希｢姦しく｣

花陽｢都市伝説！｣ 絵里｢対決よ！｣

絵里｢ノッキン・オン｣ にこ｢ヘブンズ・ドア｣

海未｢ふぁ～あ･･･眠いな･･･｣ ことほの｢｢！？｣｣

絵里｢ただ、ありふれた夜｣

聖良｢夜も更けて｣ ダイヤ｢姉会ですわ｣

絵里｢壊れた世界で、ただ1人｣

海未｢あなたは｣ ことり｢サマーガール｣

希｢ライブ？｣ 真姫｢そうよ｣

LINEグループ 9人の女神達

穂乃果｢ここどこ！？｣ カイマン｢ここは"ホール"だぜ｣

にこ「あなたの目には」絵里「私たちの姿が」

かのん「雨の日のコーヒー」

善子「覚えてる？9月の事」梨子「そう、あの夜の事」

恋「ひっぷほっぷを聞きます！」すみれ「良いんじゃない？」

曜｢水飛沫が光って｣ 梨子｢月の光が輝いて｣

果南「やらせクレーマー撃退選手権！！」絵里「お陰様で生きております！！！」

すみれ「カップ焼きそばのヤサイ程美味しいものは無い」

絵里「スモーク」聖良「インザ」かのん「ナイト」

穂乃果「作戦名『Love-A-Live!』」絵里「状況開始よ！！」

かのん「危ない綱渡りを」すみれ「今夜だけは」

かのん「グッドバイ・ワンスアゲイン」

四季「第1回、ギリギリ」夏美「Liellaに『ドッキリ』仕掛けてみたですの！！」

曜「白夜の日に」善子「私達は家出する」

おつ

レアな組み合わせでよかった

ちぃちゃんいっつも失恋してんなw

曜ちゃんは誰と付き合ってるんだろ
この感じだと梨子ちゃん辺りか？

乙
切ないけど読み応えあるSSだった
また書いてくれ