恋「んん……？これは……」ｸﾘｯｸ


恋「！？み、みなさん！ちょっとこれ見てください！」


可可「あ、レンレンまた可可のパソコンを勝手に……ってなんデスかコレは！」


かのん「えっと……『ラブライブ予選の課題が流失！次回は『食レポ』か！？』」


かのん「ど、どうしよう……。私食レポなんてやったことないよ」


可可「可可もデス」


恋「もちろん私も……」


可可「デモ、安心してくだサイ！」


かのれん「「！？」」


可可「忘れたのデスか？Liella!にはショービジネスにうるさいグソクムシがいるコトを！」


恋「そうでした！」


かのん「よっしゃー！！」


すみれ「……それガゼネタでしょ」

アイドルの大会なら歌と踊り以外の課題があってもおかしく無いよなとは思う

可可「ぁえ？」


すみれ「いや、どう見てもうさんくさいったらうさんくさいでしょ……」


千砂都「私もそう思う」


恋「そうでしょうか？」


千砂都「だって、その記事何のサイト？」


恋「えっと……『スクールアイドルまとめ速報』」


すみれ「まとめサイトじゃない！」


可可「何言ってるデス！元をたどれば、あるラブライブ運営の関係者がツイッターで匂わせ発言をしたらしいと……」


すみれ「つまり信憑性ゼロね」


千砂都「ていうか食レポってライブに関係ないし、見なかったことにしていつも通り練習を……」


かのん「待って！」


千砂都「かのんちゃん？」


かのん「サニーパッションさん、食レポ動画上げてる」

恋「本当ですね……」


可可「ほらやっぱりデス。サニパがやってるなら、この記事は真実デス」


すみれ「千砂都、どう思う？」


千砂都「う～ん……たまたまだと思うけど……」


可可「やりまショウ！食レポ！」


かのん「私さ……一度やってみたかったんだよね。ケーキ食べて「おいしー！」っていうの」


すみれ「……」ｶﾁﾝ


すみれ「はあ？甘いったら甘すぎよ！」


かのん「え？すみれちゃん？」


すみれ「ただモノ食べて「おいしー」なんて言うだけなら、マンマルにだってできるわ！」


かのん「それは流石に……」


すみれ「いい？食レポっていうのは、画面の向こうの人に「私も食べた～い」って思わせなきゃいけないの！」


かのん「はあ……」


すみれ「わかったわ！この平安名すみれが、ショービジネスで培った食レポテクニックを見せてあげるわ！！」


千砂都「す、すみれちゃん？」

――――――


千砂都「とりあえずたこ焼き用意したけど、本当にするの？」


すみれ「こうなったら特訓ったら特訓よ！」


恋「課題なら、すみれさん一人がすればいいのでは？」


すみれ「課題とか関係ないわ。私は、アンタたちが食レポを甘く見てるのが許せないってだけよ」


かのん「別に甘く見てたわけじゃ……」


すみれ「じゃ、まずはかのん。やってみなさい」


かのん「ええっ！？こういうのって普通、お手本とかないの？」


すみれ「私が先にやってもいいけど、コメントが出尽くされる後の方が不利よ？」


可可「なら可可からやりマス！」


かのん「あっ！？可可ちゃんずるい！」


可可「それではいただきマス」ﾊﾟｸｯ


可可「あふっ……！ぅえぅっ！は、ほふほふ……あくっ、あくい(熱い)デスー！」


すみれ「はい失格」


可可「なんでデスかー！」

すみれ「一口で食べて吐き出そうとしたでしょ」


可可「それは……熱かったカラ……」


すみれ「口の中を見せない、吐き出さない。鉄則よ」


可可「う～……」


千砂都「用意しといてアレだけど、もしかしてたこ焼きって難易度高い？」


すみれ「そうよ。さ、次は？」


千砂都「わ、私やってみる」


千砂都「かのんちゃん見ててね。私の食レポ」


かのん「ちぃちゃん……」


恋「まるでこれから戦地に向かうような佇まいですね」

千砂都「じゃあ……」


千砂都「わあ！おいしそうなたこ焼き！」


千砂都「見て！この丸さ。とってもまん丸だよねー」


千砂都「そんなまん丸が８個入ってるなんて、幸せだよ」


千砂都「ほら、数字の８って丸が２つくっついてるじゃん？だからこのたこ焼きは、本当のたこ焼き。真のたこ焼き」


千砂都「これを食べたら、きっと私も丸と一つになれる……。そう！私は丸になる！」


すみれ「失格！」


千砂都「え……？どうして……」


すみれ「理由言う必要ある？」


かのん「ちぃちゃん、目怖っ」


恋「それ本当に中身タコですか？」


可可「丸しか伝わってこなかったデス」


千砂都「十分だよ！」


すみれ「不十分よ！」


すみれ「ま、でも最初に見た目の説明から入るのは、良かったわ」

すみれ「じゃあ、次は……恋」


恋「はい！」


かのん「なんで私じゃないの！？」


すみれ「特に意味はないけど、なんとなく……」


かのん「お願い。恋ちゃん代わって！」


恋「私は別にかまいませんが……」


すみれ「なら、かのん。どうぞ」ｺﾄｯ


かのん「……」ｺﾞｸﾘ

かのん「わあ！おっきくて美味しそう！いただきまーす！」ﾊﾟｸｯ


千砂都「一口でいった！？」


可可「これでは可可とおんなじデス」


恋「きっと何か策があるはずです」


かのん「はふ……あふっ……」ﾓｸﾞﾓｸﾞ


かのん「…………」ﾓｸﾞﾓｸﾞ


かのん「…………」ｺﾞｸｯ


かのん「と゛っ゛て゛も゛お゛い゛し゛か゛っ゛た゛で゛す゛……」


チクレ「「「気合でいったーー！！！」」」


すみれ「美味しそうに見えないんだけど」

恋「かのんさんは頑張っていたではありませんか！」


可可「すみれの鬼！ムチムチグソクムシ！」


千砂都「すみれちゃん厳しすぎない？」


すみれ「千砂都にだけは言われたくないんだけど……。あと可可、覚えときなさい」


かのん「う～……もっとできると思ったんだけどなぁ……」


すみれ「最後は恋ね」


恋「ちょっとよろしいですか？」


すみれ「何よ」


恋「やはり初心者にいきなりたこ焼きは少々無理が過ぎるかと」


可可「そうデス！鬼ムチグソクムシは気配りを考えろデス！」


恋「というわけで、私はこれで挑みたいと思います」ﾊﾟｶｯ


すみれ「な……」


恋「苺です」

恋「ただの苺ではありません。見ての通り“桃薫いちご”です」


すみれ「いや、わからないけど」


恋「ちなみに一粒７５０円です」


すみれ「ギャラクシー！」


すみれ「……わかったわ。恋、アンタはそれでいきなさい。ただし７５０円分の食レポをするのよ」


かのん「ちょっとそれズルくない？」


恋「かのんさん……難易度はお金で買えるんです」ﾆｯｺﾘ


可可「こっちにも鬼がいまシタ。鬼金持ちエ●サイトデス」


千砂都「もう人気回復とか諦めたの？」


かのん「ちょっと前までは、マルカワのいちごフーセンガムを買うために貯金してたって言ってたのに……」


恋「それでは、参ります」

恋「ふわ～！おいしそうな苺ですね！聞くところによると“桃薫いちご”という高級苺らしいです！」


恋「ではさっそく……いただきましょう！」ﾊﾟｸｯ


恋「ん～～……！！甘さの中に苺のさわやかな酸味が広がって……おいしいです！」


すみれ「まあ、さすがにまともね」


かのん「やっぱりずるいよ。私たちだって高級苺だったらもっといい食レポできたよ」


すみれ「そんなことないわ」


かのん「え？」


すみれ「大事なのは食べ物じゃない。ハートなのよ」


すみれ「今からそれを証明してあげるわ！」ﾊﾟｶｯ


千砂都「じゃあなんですみれちゃんの前にたこ焼きじゃなくて、苺が置いてあるのかなぁ……？」


すみれ「それは……ほら私も苺の方が……」


可可「ダメデス」


かのん「すみれちゃんはこっちでしょ」


すみれ「わかったったらわかったわよ！」

すみれ「いい？ちゃんと見てるのよ」


すみれ「わあ！大きくて食べ応えありそう！う～ん……青のりとソースのいい香り！」


千砂都「さすが……だね」


可可「問題はこれからデス」


すみれ「それでは、いただきまーす！」ﾊﾟｸｯ


かのん「一口で！？」


恋「それでは可可さんやかのんさんと変わらず……」


千砂都「待って！」


すみれ「熱っ……！」ﾓｸﾞﾓｸﾞ…ｺﾞｸｯ


すみれ「焼きたてのたこ焼きって……美味しい！」


チクレカ「！？」


かのん「熱くないの？」


千砂都「すみれちゃんも涙目になってるから、きっと熱いんだと思う」


すみれ「大きなタコもプリプリで美味しいんだけど、この生地！出汁が効いてて、これだけでも美味しい！」


すみれ「でもこのソースと絡まることで、口いっぱいに魚介の味が広がって……」


すみれ「う～ん……旨ギャラーー！！」

すみれ「ま、こんなところね」


チクレカ「おー」ﾊﾟﾁﾊﾟﾁ


かのん「まるでヒル〇ンデスみたい！」


可可「鬼ムチのくせに、なんだか悔しいデス」


千砂都「すみれちゃんならヒルナン〇ス出れるよ！」


すみれ「ショーーービジネスなら普通よ。普通」


かのん「やっぱり、今回のセンターはすみれちゃんで決まりだね」


すみれ「今からノウハウを伝授してあげるわ」


？？？「ちょっと待ったーー！！！」


チクレカス「！！？？」

悠奈「パア！！」


摩央「……」


かのん「サニーパッションさん！？どうしてここに」


悠奈「買い出しのついでに寄ったら、ね」


可可「どうぞこちらに座ってくだサイ。すみれ早くお茶出しやがれデス！」


悠奈「ううん。お構いなく」


悠奈「そ・れ・よ・りー……」


すみれ「な、なんですか……？」


悠奈「すみれちゃんはさー……わかってないね」


すみれ「はあ？」


悠奈「確かにすみれちゃんはヒ〇ナンデスなら即戦力かもよ？」


悠奈「でもね……食レポってそれだけじゃないんだよ」


すみれ「なっ……」

悠奈「確かに視聴者に「食べてみたい」って思わせるのは重要だよ？」


悠奈「でもね……それは編集でどうにでもなるんだ」


すみれ「！？」


悠奈「ヒルナ〇デスなら共演者やナレーションが助けてくれる」


悠奈「だから、私たちスクールアイドルが一番に伝えなきゃいけないのは、自分の可愛さなんだよ！」


すみれ「ギャラクシー！！」


すみれ「そうね……スクールアイドルに求められてるものって可愛さよね……」


かのん「でも、すみれちゃんの食レポは完璧だったよ！」


すみれ「私はまだまだってことね」


摩央「……」


恋「みなさん！ちょっとこれ見てください！」


可可「だから可可のパソコンを勝手に使うなと……」


千砂都「あっ！みんな見て！」


すみれ「何よ、一体……」


かのん「公式のTwitter？」


かのん「現在拡散されているラブライブ予選の課題は全くの誤情報……だって」

千砂都「やっぱり」


可可「でもサニーパッションが上げた動画は……」


悠奈「ああ、あれ？たまたまだよ」


可可「へ？」


悠奈「私たち普段から神津島のPR動画上げてて、さっき上げてたのがたまたま島の食レポ動画だったんだよね」


恋「では、私たちがやってきた食レポというのは……」


千砂都「意味なかったね」


かのん「そんなー……」


すみれ「あのー……」


悠奈「なに？」


すみれ「よかったらたこ焼き食べますか？」


悠奈「ありがとう！じゃあ、せっかくだしみんなで食べよ？」


かのん「あざーっす！」


恋「い、苺もあります！っていうか、私たち初対面ですよね？」

　　　
　　　　　　おわり

おつ
かわいい

摩央さん一言もしゃべってなくて草