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【SS】if...カリスマが貴女なら。【ラブライブ!】

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2: 輝きたい名無しさん 2019/11/15(金) 23:23:18.77 ID:U89iejEz


『カリスマ』という言葉を、私は一体どこで知ったのだろう。

『カリスマ』というものを、私は一体いつ手にしたのだろう。

『カリスマ』がある人物に、私は一体なぜ、なったのだろう。

『カリスマ』とは?

纏うもの? 作るもの? 語るもの?

そのものを指して言う? 持つ者を指して言う?

私は『カリスマ』を放っているのか、私には『カリスマ』があるのか、それとも私自身が『カリスマ』なのか。

色も形もにおいも不明な、ただ軽くてただ重いだけのものに、私は形作られ守られ、そして縛られている。

みんなが望むものだから、私が望むものかどうかは関係ない。

さあ、今日も高らかに『カリスマ』を叫ぼう。

いくぞ――


ツバサ『みんな! 一秒だって遅れずについてきて!』


光を浴びて輝く汗も、夏の坂道ならただの泥水よ。


3: 輝きたい名無しさん 2019/11/15(金) 23:23:46.08 ID:U89iejEz


花陽「だめだよっ!!」ドンッッッ

ことり「ひっ…」

海未「は、花陽。落ち着きなさい。ことりが――みんなが驚いていますよ」

花陽「あ、ご、ごめんなさい…つい…」シュン

花陽「ことりちゃん、ごめんね」

ことり「ううん、大丈夫だよ。かよちゃんの気持ち、ことりもわかるから。かよちゃんだって驚いちゃったんだもんね」

海未「まったく、花陽はふとした折に突然熱くなるのですから…」

花陽「うう…」ジワ…

5: 輝きたい名無しさん 2019/11/15(金) 23:24:15.38 ID:U89iejEz
ことり「海未ちゃん。かよちゃんだって悪気があったわけじゃないんだから、責めるみたいな言い方しちゃだめ」

海未「う」

ことり「ことりは平気だから、ありがとう海未ちゃん。かよちゃんも泣かないで」ヨシヨシ

花陽「ことりちゃん…」

海未「すみません、花陽。配慮が足りない物言いでした」ペコ

花陽「わわ、海未ちゃん…顔あげて…!」アワワ

海未「…恥ずかしながら、私自身、動揺が抜けていないのでしょうね。自分で話していながら、どこか頼りない噂話に興じているような気持ちが拭えません」

6: 輝きたい名無しさん 2019/11/15(金) 23:24:46.10 ID:U89iejEz
花陽「でも、ほんとのことなんだよね…」

ことり「ほんとだよ。お母さんが教えてくれたことだし、」

海未「なにより、本人がそう宣言したのですからね」

花陽「嘘なんか、言う人じゃないもんね…」

ことり「冗談はたくさん言うけどね」

海未「あれでいて人をからかうのが好きですからね。昨日だって派手なマスクに派手なサングラスを纏って後をついてくるものだから何事かと思いましたよ…」

花陽「ええっ!?」

7: 輝きたい名無しさん 2019/11/15(金) 23:25:23.41 ID:U89iejEz
海未「本人いわく私を怖がらせようとしたのだそうですが、残念ながら戸惑うだけで怖くはありませんでしたね」

花陽「怖くなかったの…?」

海未「ええ。だって、いくらか普段と違う格好に扮してみせようと、私には一目でわかるのですから。オーラは隠せるものではないし、コートの下から見慣れた靴が見え隠れしていたし、……あの身長ですし」

ことり「さすが海未ちゃん。ことりだったらびっくりして走って逃げちゃうかも」

海未「その反応こそ、彼女の思うつぼでしょう。曲がり角で待ち伏せして捕まえたら、悪びれることなく笑っていましたよ…まったく」プン

ことり「あはは…」

8: 輝きたい名無しさん 2019/11/15(金) 23:26:05.77 ID:U89iejEz
花陽「…なにか、いやだったのかな」ポツ…

海未「!」

ことり「…!」

海未「嫌だった、とは?」

花陽「うん…もし花陽だったら、って考えちゃったの。自分が好きで始めたことだとしても、どんどん周りに持ち上げられて、廃校っていう大きな問題を背負わされたみたいな形になったり、
そのせいで仲良しの海未ちゃんとことりちゃんと遊ぶ時間だってほとんどなくなっちゃったりして、ずっとずっと、もしかしたら…いやだったのかな、って」

海未「それは…」

花陽「だとしたら、わたし…悲しいけど、そんなわがままで邪魔しちゃいけないって思うの。たった一人に任せるんじゃなくて、みんなで――今より難しくなるとしても、
みんなで頑張って廃校を取り消してもらう方法を考えるべきなのかなって。そうしたいなって」

9: 輝きたい名無しさん 2019/11/15(金) 23:26:45.32 ID:U89iejEz
海未「……花陽の言う通り、なのでしょうね。あんな人ですから、苦労を苦労とは見せないし、なんだって人並みを超えて軽々こなせるし、自分一人の頑張りで周りがハッピーになるのならばそれをよしとする、あんな人だから――こそ」

海未「『その力があるのだから』と、どこかでそう思ってしまっていましたね。彼女だって私達と変わらない、普通の女子高生だというのに」

海未「…決めました」

花陽「海未ちゃん…?」

海未「次に会ったとき、私は彼女に本当の心根を問いただすつもりでいましたが、やめましょう。どんな道であっても、どんな理由であっても、彼女自身が選んだのならばそれを受け入れる。一人の友として――大切な幼なじみとして」

花陽「海未ちゃん…!」

10: 輝きたい名無しさん 2019/11/15(金) 23:27:28.80 ID:U89iejEz
花陽「うん、そうしよう。花陽もそうする、そうしたい。…たまにカラオケに誘っちゃうかもしれないけど」

海未「ふふふ…それくらいならば喜んで付き合ってくれるでしょう。これまで歌の一曲だって好きに歌えなかった分、むしろ中学生の頃以上にノリノリかもしれませんよ」

花陽「えへへ…またみんなで行きたいね、カラオケ」

海未「すぐに行けますよ、きっと。…ねえことり、ことりもそれでよいでしょう?」

ことり「…………………」

海未「ことり? どうかしましたか?」

ことり「あ、うん。えっと、」ハッ

海未「ことりまでぼーっとして、ショックなのはわかりますが…私達は彼女の選択をしっかり受け入れようと花陽と決めたところで、そうすればまた昔みたいにみんなで遊ぶ時間も、」

ことり「聞きにいこう」

11: 輝きたい名無しさん 2019/11/15(金) 23:28:03.98 ID:U89iejEz
花陽「え?」

海未「聞き、に…?」

ことり「本当の気持ちをちゃんと聞きにいこう、海未ちゃん」

海未「え?いえ、それは」

ことり「だって絶対おかしいよ。海未ちゃん達の会話は聞いてたし、ことりも納得できる部分はあるけど…」

ことり「でも絶対におかしい。本心で決めたことじゃないんじゃないかって、ことりは思う。だから、もう一回ちゃんと聞きにいこう」


ことり「翼ちゃんに、どうしてスクールアイドルを辞めようと思ったのかを――」


12: 輝きたい名無しさん 2019/11/15(金) 23:28:36.38 ID:U89iejEz


 
【SS】if...カリスマが貴女なら。


 

13: 輝きたい名無しさん 2019/11/15(金) 23:29:33.13 ID:U89iejEz


ツバサ「あら、いらっしゃい。海未、ことり。それに花陽まで。みんなで揃った姿なんていつ振りに見たかしらね。

ツバサ「待ってね、そこに座っていて。突然こんな大人数で来られるとさすがに驚くわ。海未はほうじ茶、ことりはミルクティー、花陽はココアでいいわよね。お湯だってすぐに沸くから。

ツバサ「来るなら連絡をくれたらいいのに。わかった、私があまりスマホを見ないからでしょ? それはそうなんだけど、楽屋で控えているときくらい、さすがに見るわ。
いえ、これは私の普段の行いがそう思わせるのよね、少し反省しましょうか。

ツバサ「きちんと先生には止められた? あなた達でさえなければ止めてくれないと、守衛手当て泥棒になるんだけどね。聞いてよ、ことりには言ったっけ、この前だって一年生の熱心なファンの子が無断で入ってきちゃってね。それはそれは大騒ぎになったのよ。

ツバサ「彼女にだって悪気があったわけじゃないし、なにかひどいことをされてもいない。私としてはファンの子に会うのは大歓迎なんだけど、ほら、体裁ってものがあるからね。線引きも難しいし。
こっそりスマホケースにサインしてあげたけどね。メルカリで検索するのが、毎日の日課になっちゃったわ。

ツバサ「はい、できた。お待たせ。17時ちょうどからステージだから、そんなに長くは話せないけど――

海未「翼」

14: 輝きたい名無しさん 2019/11/15(金) 23:30:16.73 ID:U89iejEz
ことり「………」

花陽「………」

ツバサ「なに、ことりと花陽までそんなに怖いカオをして。しかめ面をするより、こうやって…ふー、ふー………」ズズ…

ツバサ「あっつ!!」

花陽「だ、大丈夫!?」

海未「大丈夫ですよ、湯気は出ていません」

ツバサ「相変わらず冗談が通じないんだから」グビ

花陽「あ…よかったあ…」ホッ

15: 輝きたい名無しさん 2019/11/15(金) 23:30:49.30 ID:U89iejEz
海未「翼、」

ツバサ「まずは飲んだら? ヤケドには気を付けて。熱いものは熱いうちに頂くのが最も美味しいわ」

ことり「…いただきます」

花陽「い、いただきますっ」

ツバサ「ほら、海未も」

海未「…頂きます」

ツバサ「こうやってみんなで一斉に飲み物を飲んでいると、まるであれみたいね。バリウム」

ことり「んぐっ!?」

16: 輝きたい名無しさん 2019/11/15(金) 23:31:24.05 ID:U89iejEz
花陽「こ、ことりちゃん!」

海未「ことり! 翼、あなたという人は!」

ツバサ「バリウムよりは美味しく作ったつもりなんだけど」クンクン

ことり「こほ、こほ…」

ツバサ「ごめんなさい、ことり。変なことを言ったわ」

ことり「ううん、へいき、翼ちゃんとお話しするの久しぶりだから、ちょっと忘れてただけだよ」ニコッ

ツバサ「そう。思い出してくれたのならなにより」ニコッ

‐‐‐‐‐‐
‐‐‐‐
‐‐

17: 輝きたい名無しさん 2019/11/15(金) 23:31:58.92 ID:U89iejEz
ツバサ「…さて」チラッ


『16:17』


海未「本題に入ってもよいですか?」

ツバサ「あら。なかなか切り出さなかったのは海未じゃない」

海未「…ことり」

ことり「うん」

ツバサ「ん? ことりが話すの?」

ことり「うん。今日は私が」

ツバサ「そう」

ことり「翼ちゃん、どうしてスクールアイドルを辞めるなんて決めたの?」


ことり「…ううん、スクールアイドルを辞めるってこと、本当に――自分で決めたの?」

18: 輝きたい名無しさん 2019/11/15(金) 23:32:37.93 ID:U89iejEz
花陽「………」

海未「………」

ことり「………」

ツバサ「…みんなで急に押し掛けてきたと思ったら、話したかったことって、それ? ラインでもよかったでしょうに」

海未「翼! 私達は真剣に、」

ツバサ「ちょっとちょっと、落ち着いてよ。別に迷惑だとも下らないとも言ってないでしょ」

花陽「でもね、ツバサちゃん。私達…海未ちゃんとことりちゃんと私と、それだけじゃなくって、ファンのみんなが思ってるよ。どうして、なんで、って」

花陽「ツバサちゃんが自分で考えて決めたことなら、みんな受け入れる覚悟ができてるよ。でも、そうじゃないなら――」フルフル…

ツバサ「ありがとう、花陽」ポン

19: 輝きたい名無しさん 2019/11/15(金) 23:33:13.27 ID:U89iejEz
ツバサ「そうね、ごめんなさい。どうやらファンのみんなには迷惑を、そしてあなた達には心配を掛けてしまったみたいね。言葉が足りなかったことは反省しましょうか」

海未「言葉が足りなかった…?」

ことり「スクールアイドルを辞めるっていう、理由のこと?」

ツバサ「うーん…なんというか、そもそもその認識がずれてるのよね。私の言い方が悪かったんでしょうけど」

花陽「どういうこと?」

ツバサ「私、スクールアイドルを辞めようなんて考えてないわ」

花陽「えっ!?」

ことり「…!」

海未「は…!?」

20: 輝きたい名無しさん 2019/11/15(金) 23:33:50.35 ID:U89iejEz
花陽「ほ、本当…?」ウルウル

ツバサ「本当よ。だからそんなカオをしないで、花陽はいつもにっこり笑っていてくれないと」

海未「で、では一体どういう…!?」

ことり「お母さんも、『翼ちゃんがスクールアイドルを辞めたがっている』って…」

ツバサ「おばさまには私から直接話してないのよ、又聞きの過程で言葉が削がれていってしまったみたいね」

海未「ですが、あなた、はっきり『やめたい』と――」

ツバサ「………?」

21: 輝きたい名無しさん 2019/11/15(金) 23:34:26.12 ID:U89iejEz
ツバサ「……もしかして、この前のラジオの?」

花陽「えっ」

海未「そ、そうです! あなたがスクールアイドルを辞めたがっているなどという噂を聞いたので、少しも情報を漏らすまいとあんな夜遅くの番組まで私は頑張って――」

ツバサ「………」チラッ

花陽「!」

花陽「…『私はプロのアイドルではありません。そこに生まれる甘え、そういうものを切り捨てたい。自分はスクールアイドルなのだからと考えることを、やめたい――』」

海未「なっ…」

22: 輝きたい名無しさん 2019/11/15(金) 23:35:00.70 ID:U89iejEz
ツバサ「最近私が『はっきりと』口にした『やめる』という類いの言葉は、これくらいしか思い当たる節がないわね」

ことり「海未ちゃん…」

海未「ななな…!?」

花陽「ツバサちゃんのラジオの時間帯って、海未ちゃん普通なら絶対に寝てるから…」

ツバサ「無理に起きていたから、ねえ」

海未「あ、あの、その私…」

花陽「…」

ことり「……」

ツバサ ズズ…


ツバサ「すっかりぬるくなっちゃったわ」

‐‐‐‐‐‐
‐‐‐‐
‐‐

23: 輝きたい名無しさん 2019/11/15(金) 23:35:35.35 ID:U89iejEz
ことり「勘違い?」

ツバサ「そうね。そんな悪質な噂が意図的に流されたとは考えたくないもの、勘違いの方が誰も悲しまないでしょ」

ことり「それじゃ、翼ちゃん、スクールアイドルやめないんだね。よかった~」

ツバサ「そうねえ」

花陽「えっと…」オロ…チラチラ

ツバサ「気になる?」

花陽「う、うん」

ツバサ「まったく、しょうがないんだから」

24: 輝きたい名無しさん 2019/11/15(金) 23:36:08.62 ID:U89iejEz
ツバサ「うーみー」トントン

ツバサ「あなたがそうやっていじけてると、花陽が気を遣っちゃって仕方ないでしょう。ここらへんで切り上げてこっちに戻ってきなさいよー」

海未「私はとんだ聞き違いをして、ことりに花陽まで巻き込んで、合わせる顔が…」ブツブツ

ツバサ「そんな風にいじけられてる方がよっぽどやりづらいったらないわよ」スタスタ

ツバサ「ことりも花陽もそんな小さなことをいちいち気にしないわ。さ、ほら立って。せっかく煎れたほうじ茶が冷めちゃうじゃない」

25: 輝きたい名無しさん 2019/11/15(金) 23:36:44.37 ID:U89iejEz
海未「うう…こんな不甲斐ない私を、まだ話の輪に加えてくれるのですか?」

ツバサ「当たり前でしょ。私達の間にあなたがいなかったことなんかないじゃない。今までがそうなら、これからだってそうなんだから。はい、シャキッとして」

海未「………ええ、情けない姿を晒してしまいましたね。余計な時間を取らせてしまいました」

ツバサ「その分、きちんと期待に応えてくれればいいわよ」

海未「それはもちろん。不肖園田海未、この身で友のために尽くせることがあるのならば労を惜しむ気などありませんよ」

ツバサ「そう。とても頼もしい返事で嬉しいわ。海未はこう言っているけれど、ことりと花陽も同じ気持ちだと思っていいのかしら」

花陽「へ?」

ことり「え?」

26: 輝きたい名無しさん 2019/11/15(金) 23:37:20.89 ID:U89iejEz
海未「返事? …待ってください、翼。あなた一体なんの話を――」

ツバサ「ふふ、いやだ海未ってば。あんなにはっきりと自分で宣言しておきながら」

ことり「…えーっと」

花陽「なんだか、その、嫌な予感がしてきた…」

海未「…この感じは」

ツバサ「大好きなあなた達と大好きなことをできるなんて、これ以上ない喜びよ。よろしくね、三人とも」ニコッ♡

海未「…ごめんなさい、二人とも。先に謝っておいた方がよさそうな気がしますね…」


27: 輝きたい名無しさん 2019/11/15(金) 23:38:17.06 ID:U89iejEz


『綺羅ツバサ ソロ活動終了!』

『超新星スクールアイドル、待望のグループ化!』

『綺羅ツバサと共に立つのは三人の幼なじみ!』

『ソロの限界を越えた多方面への活動の拡がりに期待!』


海未「………っ!」ワナワナワナ…

ツバサ「あら。まだその記事読んでたの? 見かけによらずナルシストねえ、海未」

海未「んなっ!」

ツバサ「冗談よ。さ、着替え終わったんなら練習始めましょ。ことりも花陽も準備万端よ。ねえ?」

28: 輝きたい名無しさん 2019/11/15(金) 23:39:07.03 ID:U89iejEz
ことり「あはは…準備万端かどうかはわかんないけど…」

花陽「わ、わわわ、私がこんな、ツバサちゃんと同じ衣装…! 変じゃない? 変じゃないかなあ?」キョロキョロ

ツバサ「変じゃないわ、自信を持って。『アイドル』を身に纏うなら、私達の中であなた以上の適任はいないんだから。今日からリーダーになるんだから胸を張っていないと」ポン

花陽「りりりりりりりリーダーーー!!? 花陽が!?」

海未「翼! ただでさえ緊張している花陽をからかうのはやめなさい!」

花陽「か、からかう…? 冗談、なの…?」

ことり「いつもの冗談だよ、かよちゃん。四人組になってもリーダーは翼ちゃん、スクールアイドル綺羅ツバサだよ」

花陽「そ、そっかあ…そうだよね…」ホッ

海未「まったく…!」

29: 輝きたい名無しさん 2019/11/15(金) 23:39:52.02 ID:U89iejEz
ツバサ「ふふ。これで海未の緊張も花陽の緊張もほぐれたでしょう? さ、間もなく表に出る時間よ」

海未「やれやれ、翼には敵いませんね。――行きましょうか、ことり。花陽」

ことり「うん!」

花陽「う、うんっ」

ツバサ「私はあなた達と一緒なら、どこまでも行ける。なんだってできるわ。これまで離れて過ごした分、ずっと隣にいてくれなくちゃ許さないからね」

うみことぱな「「「――――もちろん!」」」


30: 輝きたい名無しさん 2019/11/15(金) 23:40:27.78 ID:U89iejEz


──────♪

────♪

──♪………


ワァァァァァァァァァ…


海未「す、すごい…歓声が、まだ…もう私達は引っ込んだというのに…」

ツバサ「海未達が加わって初めてのライブだもの、みんなも興奮してくれているんでしょ。それにしてもさすが海未ね、まだまだ余裕って感じだわ」

海未「いえ、そんなことはありません。なんとかついていきましたが、身体じゅうが疲労で声を上げていますよ」

ツバサ「いつもならアンコールを入れるところなんだけど」

31: 輝きたい名無しさん 2019/11/15(金) 23:40:56.71 ID:U89iejEz
ことり「………………!」ハァ…ハァ…

花陽「………っ、………」ハァ…ハァ…

海未「どうしても、入れなければいけませんか?」

ツバサ「そうねえ、やめておきましょう。MC変えちゃっていいわよね、私が中心で終わりまで持っていくから、ことりと花陽は――」カキカキ…

花陽「だ、め…だよ。ツバサ…ちゃん」ハァ…

ツバサ「あら花陽、話せるのね」

32: 輝きたい名無しさん 2019/11/15(金) 23:41:36.25 ID:U89iejEz
ツバサ「だめってなにが?」

花陽「みんな、ツバサちゃんのステージを…楽しみにして来てくれたんだから。…私達が足を引っ張って、その期待を裏切っちゃうなんて、…だめ、だよ」ハァ…

ことり「そう、だよ。ことり達も、あと一曲くらいなら…できる、から…」ユラ…

海未「ことり、無理に立ち上がらないでください!」ガシッ

海未「例えばアンコールだけは翼一人でやるなんてことは、許されませんか? あるいは私と二人で…」

花陽「い、いける…私も、いけるよ…!」フラ

ことり「ことり、も。やっと翼ちゃんと同じ場所に立てたんだもん、これくらいで…へばらないもん…」フラ

ツバサ「ばかねえ、三人とも」

33: 輝きたい名無しさん 2019/11/15(金) 23:42:11.36 ID:U89iejEz
ツバサ「今日のステージは、綺羅ツバサのステージなんかじゃない。それを期待して来てくれたお客さんには悪いけど、スクールアイドル綺羅ツバサは『解散』したのよ」

ツバサ「私が、海未が、ことりが、花陽が」

ツバサ「四人全員が揃っていないステージになんて、私はもう一秒だって立つつもりはないわ。もちろん、そのために大切なあなた達に無理をさせるつもりもない」

ツバサ「大丈夫よ、それをわかってくれないお客さん達じゃないから」

ツバサ「でーきたっと。私は先に出て繋いでおくから、そうね、百秒くらいしたら出てきて。ふらふらでもいいから顔だけ見せて。じゃ、行っとくわね!」タタタタ

34: 輝きたい名無しさん 2019/11/15(金) 23:42:43.29 ID:U89iejEz
海未「行ってしまいました…」

ことり「元気、だね。私達とは全然違うんだね…」

海未「昔は私の方が体育を得意としていたのに、今では敵う気がしませんね」

ことり「…海未ちゃん、お水取って。翼ちゃんを待たせるわけにはいかないよね」

海未「ええ。花陽も、飲めますか?」

花陽「…………ぅぅ…」

海未「花陽…?」

35: 輝きたい名無しさん 2019/11/15(金) 23:43:34.05 ID:U89iejEz
花陽「海未ちゃん、ことり…ちゃん。私、悔しいよぅ…」

ことうみ「「…!」」

花陽「夢にまで見たスクールアイドルになって、せっかく、ツバサちゃんと同じステージに立てたのに…全然、ついていけない。ツバサちゃんの、邪魔にしかならない…っ」

花陽「もっと上手になりたい、もっと…体力もつけて、ツバサちゃんが、隣にいて安心できるような…そんなスクールアイドルに、なりたいよぅ…」グスッ

海未「そうですね、私も同じことを考えています。四人になって綺羅ツバサはこれまで以上によくなったと、そう言われるようにならなければ」

海未「私達の心が同じならば、きっとそこまで辿り着けます。翼も待っていてくれるでしょう。だから、今はあと少しだけ、踏ん張らなくては」

花陽「うん…ありがとう」

海未「行けますか?」

ことり「うん、行けるよ」コク

花陽「私も」コク

海未「では行きましょう。もうこれ以上、翼を一人にしないために――!」

36: 輝きたい名無しさん 2019/11/15(金) 23:44:28.95 ID:U89iejEz
「みんなー! 今日も来てくれてありがとー、大人のお客さんもいっぱいいるわね。あれ、あなたとあなたとあなたと…前回のライブにもいなかった? ちゃんとお仕事には行ってるの!?」

「え、アンコール? やらないやらない、今日はさっきの曲で終わりって言ったでしょう。なに、その不満そうな声は。私の大切な友達に無理しろって言うんじゃないでしょうね!」

「ふーん、そう。いいわよそんなにぶーぶー言うなら。その代わり今日で私達みーんな体力使い果たしちゃって、最後のライブになっちゃうんだからね」

「うふふ、冗談よ。これからは私一人じゃなくて、私達四人のことを応援してほしいの。きっと今までより強く格好よくなって見せるから、それまでは優しく見守ってちょうだい」

「おっ、三人の体力も回復したみたいね」

「それじゃ改めて、今日初めてステージに立って最後まで頑張った三人に大きな拍手を頂戴! ――うん、最高。私の大切な幼なじみ、海未、ことり、花陽よ。さあ! これから最高で最強のスクールアイドルに駆け上っていくわよ! 遅れずについてきてね!」


ワァァァァァァァァァ…

37: 輝きたい名無しさん 2019/11/15(金) 23:45:36.41 ID:U89iejEz
音ノ木坂学院。

東京都は千代田区の、歴史ある国立高校。

少子化の波と時代の変遷で廃校を余儀なくされつつあった音ノ木坂学院に、ある年、脚光が降り注いだ。

スクールアイドル、綺羅ツバサ。

高校一年生にしてアイドルという鮮烈なエンターテイメントは瞬く間に拡がりを見せ、その速度についていくだけの力量を持ち併せていたツバサは登場から一年弱でカリスマとなった。

そしてその翌年には、個人的な旧知の三人を引き入れてグループ化。

ツバサとのレベル差を指摘する声、ソロ活動へ戻ることを望む声は絶えず聞こえてきたが、ツバサ当人が断固として拒否し続け、また三人もその逆風に負けることなく努力を続け――

約一年後には、すっかり同じ表情で並ぶ四人の姿が受け入れられた。

綺羅ツバサ、園田海未、南ことり、三年生。小泉花陽、二年生。

限りある時間を最大限に謳歌する『スクールアイドル』、その原点であり、とうとう頂点へと至った四人の最後の一年が――始まる。

38: 輝きたい名無しさん 2019/11/15(金) 23:46:59.57 ID:U89iejEz
以上です、お粗末様でした
スレ立て代行も改めてありがとうございました

穂乃果がツバサだったらどうかな、と思って書いてみました

39: 輝きたい名無しさん 2019/11/15(金) 23:50:04.87 ID:jrW8wzoF
お疲れ様です。
とても面白い発想だと思いました
綺羅ツバサが綺羅ツバサたる所以
それがここに集約されていますね。

40: 輝きたい名無しさん 2019/11/16(土) 22:51:29.86 ID:fC9xyonJ
おつおつ 良かった

41: 輝きたい名無しさん 2019/11/17(日) 01:20:05.41 ID:7KIciwde
珍しい組み合わせで面白かったです。
同じ舞台に立とうとする3人の姿もとても良かったです。

42: 輝きたい名無しさん 2019/11/17(日) 17:25:25.95 ID:SsfbMAax
ツバサが穂乃果の立場だったらソロでスクールアイドル始めて成功しそうなのは納得だ
面白かった

引用元:http://fate.5ch.net/test/read.cgi/lovelive/1573827695/











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2019/11/18 01:00 | SS | コメント(3)

この記事のコメント

  1. 名無しライバーさん:2019/11/18(月) 01:43:30
  2. はしょりが凄すぎて全く話が入ってこない

  3. 名無しライバーさん:2019/11/18(月) 03:31:24
  4. これは良SS ツバことうみぱないいぞ~

  5. 名無しライバーさん:2019/11/18(月) 10:35:39
  6. 面白い発想
    ツバサなら1人で成功するのもなんか頷ける
    短く纏まって良かった

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Author:よしまる

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