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【SS】曜「鞠莉ちゃんとのレモンな生活」【ラブライブ!サンシャイン!!】

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1: 輝きたい名無しさん 2019/10/05(土) 22:45:40.76 ID:SNuIUYco
同棲してる大学生ようまりです。

2: 輝きたい名無しさん 2019/10/05(土) 22:46:39.33 ID:SNuIUYco
一日の終わりは素敵なお酒とともに――なんて、まだまだ背伸びした言い方になるけれど、私たちもそんな大人の時間を楽しめる年齢になった。

曜「ポテトチップスに、チョコ、お煎餅も…よしっ、これだけあれば充分だね」

私はお菓子棚から持ってきたそれらを、鼻歌交じりで紙皿に盛り付けていく。これが今日のお酒のお供、おつまみになるんだ。

ささっと作っても良かったんだけど、鞠莉ちゃんが「曜の手間を増やしたくない」って言ってくれたから、今回は楽させてもらっちゃった。

とはいえ、袋のままだとやっぱり味気ない。盛り付けはせめてもの一手間ってわけだね。

3: 輝きたい名無しさん 2019/10/05(土) 22:47:14.64 ID:SNuIUYco
曜「これで準備は完了っと。鞠莉ちゃーん、そっちはどう?」

台所でお酒の準備をしている鞠莉ちゃんに声をかけると「んー、あと少し」という声が返ってくる。

曜「手伝うー?」

鞠莉「大丈夫ー、すぐ行くから座っててー」

曜「はーいっ」

今日の鞠莉ちゃんは何やら色々こだわっているみたい。さっきも手伝いを申し出たけど「今回のはお楽しみだから」って、やんわりと断られてしまった。

私がお菓子の準備係を任されたのは、そのあたりのこともあるのだろう。

4: 輝きたい名無しさん 2019/10/05(土) 22:47:36.86 ID:SNuIUYco
曜「えへへっ、鞠莉ちゃんのお酒、楽しみだな」

心待ちにしながら、ポテトチップスを一枚取って口に放り込む。

鞠莉「つまみ食いはだめよー」

曜「んぐっ!?」

予期せぬ指摘に、危うくポテチが行っちゃいけない方向に行く所だった。

鞠莉「あ、やっぱり食べてたのね?」

くすくすと笑い声が聞こえる。台所からは死角のはずだし、こっそり食べたのに、どうしてわかったんだろう…

曜「あ、味見だよ。ポテトチップスが湿気ってないかなっていう確認だよ、確認」

5: 輝きたい名無しさん 2019/10/05(土) 22:48:22.52 ID:SNuIUYco
鞠莉「確認ねぇ。それじゃあ、私もこっちで味見しちゃおうかな?」

曜「そ、それは…」

鞠莉「曜の分はなくなっちゃうかもね。今日のは張り切って作ったのに。あー残念だなぁ」

曜「う、ううーっ」

とっさの言い訳はやっぱり通用しなかった。こういう時は、いつだって鞠莉ちゃんの方が一枚上手だ。

鞠莉「ちゃんといい子にして待てるひとー」

曜「は、はーい」

6: 輝きたい名無しさん 2019/10/05(土) 22:49:00.69 ID:SNuIUYco
鞠莉「よろしい。もうすぐだから待っててね」

こうなっては大人しく従うほかない。椅子に座り、背筋を伸ばして、手はお膝。鞠莉ちゃんの言葉どおり、いい子にして待つことにするよ。

鞠莉「最後にこれを入れて、と…よし、出来たっ」

曜「!」

また背筋がピンと伸びるけど、今度は緊張ではなく期待からによるものだ。そして間も無く、鞠莉ちゃんが2杯のグラスを乗せたお盆を持って戻ってきた。

鞠莉「お待たせー」

曜「待ってました!」

鞠莉「みたいね。ふふっ」

言いつけどおりに待っていた私の様子を見て、くすくすと笑っている。

7: 輝きたい名無しさん 2019/10/05(土) 22:49:54.78 ID:SNuIUYco
鞠莉「あ。お菓子、盛り付けてくれたのね」

曜「鞠莉ちゃんが頑張ってるのに、何もしないわけにもいかないしね」

鞠莉「健気ないい子で嬉しいわ。なら、マリーもその思いに応えないとね」

そう言って、鞠莉ちゃんは私の前にグラスを置いてくれた。グラスにはカットレモンが添えられていて、炭酸の泡がしゅわしゅわと音を立てている。

曜「わ…!」

炭酸とともに広がるレモンの香りは芳醇で、湧き上がる細やかな泡立ちとグラスの水滴が光を反射してきらめいている。これは鞠莉ちゃんお得意の――

曜「レモンサワーだね!」

8: 輝きたい名無しさん 2019/10/05(土) 22:50:52.51 ID:SNuIUYco
鞠莉「イエース!ちょっとした工夫があってね、きっといつものとは一味違うと思うわ」

曜「へぇ!どんな工夫?」

鞠莉「それは飲んでからのお楽しみっ。それじゃ、早速始めましょうか」

曜「うん!」

鞠莉ちゃんが向かい側に座ってから、グラスを手にして乾杯の準備。

よく冷えたグラスの感触と、爽やかなレモンの香りとが、飲む前の期待感をより一層高めていく。

曜「では鞠莉ちゃん、乾杯のご発声を」

鞠莉「ふふっ。どこで覚えたの、その言い方」

9: 輝きたい名無しさん 2019/10/05(土) 22:51:38.49 ID:SNuIUYco
曜「おかしかった?この前の飲み会で、幹事さんが言ってたから」

鞠莉「それで自分でも使ってみようって?その気持ちはわかるけど、家の中で堅苦しいのはノーサンキューでーす」

うーん。大学生でありながら、フォーマルな集まりにも参加する機会が多い鞠莉ちゃんが言うと説得力がある。

曜「じゃあ、背伸びは無しってことで」

鞠莉「そうそう、フランクに行きましょう。ってことで、今日もお疲れ様でした。かんぱーい!」

曜「かんぱーい!」

グラスを合わせる良い音が響いた。

10: 輝きたい名無しさん 2019/10/05(土) 22:52:32.87 ID:SNuIUYco
曜「では、いただきますっ――んっ!」

一口飲んで思わず目を見張った。唇に近づくにつれて大きくなる期待感は、口に入れた瞬間に確かな満足感へと変化した。

鞠莉ちゃんのお酒はいつだって美味しいけど、今回のはフレッシュさがまったくの別物だった。

甘さが控えめだけど、その分レモンの酸味と香りがダイレクトに伝わって、爽快な余韻を残して抜けていく。

曜「これ、すごく美味しい!」

鞠莉「気に入ってくれた?」

曜「うん!苦味が利いて大人な感じだし、なによりレモンの香りがすごいんだ、最高だよ!」

鞠莉「曜の言葉を聞く限り、上手くいったみたいね――ん、本当だ。美味しくできてる」

グラスを一口してから、ホッとしたように呟く鞠莉ちゃん。その様子を見て、私はあることに気づく。

11: 輝きたい名無しさん 2019/10/05(土) 22:53:00.14 ID:SNuIUYco
曜「もしかして、本当に味見してなかったの?」

鞠莉「そうよ」

曜「ぶっつけ本番ってこと?どうしてまた」

鞠莉「初めての試み、その驚きを曜と共有したかったからね」

さらっと話す。こういうところが鞠莉ちゃんらしい。

曜「それでこの美味しさは凄いね、さすがのセンスだよ」

鞠莉「お上手だこと。うふふっ」

曜「お世辞じゃないよ、美味しいお酒の前じゃ嘘はつけないもん。さっき工夫したって言ってたけど、このシャーベットみたいなのがそう?」

12: 輝きたい名無しさん 2019/10/05(土) 22:53:27.93 ID:SNuIUYco
指差す先はレモンサワーの表面。よく見るとシャーベット状のものが浮いている。

レモンの皮や果肉らしきものが混じっているから、これがきっと美味しさの秘訣なのだろう。

鞠莉「ご明察よ。凍らせたレモンを皮ごとすりおろして入れてみたの。レモンの香りは、果肉よりも皮の方に多く含まれているって聞いたから」

曜「なるほど。レモンがフレッシュなのも、よく冷えているのも、このレモンシャーベットのおかげだったんだ!」

鞠莉「この前に飲んだレモネードからヒントを貰ってね。見よう見まねだけど大成功だったみたい。うっふふ♪」

嬉しそうに笑って、ポテトチップスに手を伸ばした。

13: 輝きたい名無しさん 2019/10/05(土) 22:54:14.21 ID:SNuIUYco
曜「美味しいよね、レモンサワー。さわやかで飲みやすくって。でも、もしかしたらレモン好きの誰かさんの影響かな?」

鞠莉「可愛いこと言っちゃって。美味しいからって飲みすぎには注意よ?」

曜「その言葉は鞠莉ちゃんにお返しするよ。鞠莉ちゃん、お酒弱いんだから」

鞠莉「む。お酒で迷惑かけたのは前の話でしょ」

曜「前って言うほど前のことでもない気がするけどなー」

実際、お酒に関するエピソードには事欠かない。鞠莉ちゃんは意外とお酒が弱くて、これまでも色々な出来事があったんだ。

笑い話からちょっとハードな事件まで、それこそ色々ね。

14: 輝きたい名無しさん 2019/10/05(土) 22:54:43.86 ID:SNuIUYco
鞠莉「可愛くないこと言うと、せっかくのお酒が美味しくなくなるわよ」

曜「おっとごめん、野暮だったね」

鞠莉「そうよ、気をつけなさい」

曜「はーい、ふふっ」

こんな取り留めのない会話で笑い合える。このひとときが、今の私たちにはなによりも嬉しい。

鞠莉「良いわね、こういうの」

曜「うん、凄く良い。嬉しいよ」

一緒に暮らしている今の生活に、心から感謝だね。

15: 輝きたい名無しさん 2019/10/05(土) 22:54:57.31 ID:SNuIUYco
曜「でもね、さっき言った、レモン好きの鞠莉ちゃんの影響って話、まったくの間違いってわけじゃないんだよ」

鞠莉「あら、そうなの?」

曜「そうだよ。鞠莉ちゃんの好きなものを、私も好きになりたかったから」

鞠莉「可愛いこと言っちゃって。ふーん、そうだったんだ」

曜「からかわないでよ、本当は知ってるくせに」

鞠莉「んー、なんのことかなー」

む、ちょっと悪戯な顔しはじめてる。早いうちに切り返しておかないと、主導権を握られてやられっぱなしになっちゃうやつだね。

16: 輝きたい名無しさん 2019/10/05(土) 22:55:53.30 ID:SNuIUYco
曜「わかってもらえてなかったのなら、それはちょっと寂しい、かな。鞠莉ちゃんに喜んでもらいたくて、レモンの使い方を研究したり、頑張ってきたつもりだから…」

明るい中に、ちょっと寂しさをにじませたトーンで答える。表情もそれっぽく装ってはいるけど、話している内容は本物だ。

実際のところ、レモンを使った料理とかはレパートリーがかなり増えたからね。

鞠莉「ふふっ、冗談よ。いつもお世話になってます。レモンのことだけじゃなくて全面的に、ね」

曜「あ…うんっ!」

よしっ、作戦は成功みたい!

鞠莉「だけど、もう少しうまくやらないと、せっかくの名演技が台無しよ」

曜「ありゃ、バレてた?」

17: 輝きたい名無しさん 2019/10/05(土) 22:56:25.89 ID:SNuIUYco
鞠莉「曜の考えることなんてバレバレデース。ま、そこが可愛いんだけど」

むぅ、結局は手玉に取られてる。まだまだ鞠莉ちゃんの方が一枚上手ってことか…

鞠莉「ありがとうね、本当」

曜「…えへへっ!」

やっぱり、こういうの良いな。

鞠莉「それで、何の話をしてたんだっけ…そうそう、レモンよ。曜の言うとおり、私たちってレモンな思い出も沢山あるのよね」

18: 輝きたい名無しさん 2019/10/05(土) 22:56:48.09 ID:SNuIUYco
曜「始まりは高校生の頃からだしね。お酒よりも断然付き合いが長いもん」

鞠莉「懐かしいわ。理事長室で仕事してる私によく差し入れしてくれたっけ。夏ならレモン炭酸水とかレモネード、冬ならゆずレモンとか、はちみつレモンとか」

曜「えへへっ、足繁く通っておりました」

鞠莉「あの頃の曜ったら、何かあるたびに鞠莉ちゃん、鞠莉ちゃんって子犬みたいにくっついてきて」

くすくすと笑う鞠莉ちゃんの頬はわずかに赤みを帯び始めて、ほんのりとご機嫌みたい。

鞠莉「あれ美味しかったなー。曜が作ってくれた、レモンの蜂蜜漬け」

19: 輝きたい名無しさん 2019/10/05(土) 22:57:45.47 ID:SNuIUYco
曜「ああ、よく作ったよね」

レモンの蜂蜜漬けは、高校生の頃からの私の得意料理…いや、スイーツかな?

まあ分類はさて置いて、部活の関係でたまに作っていたんだけど、周りからの評判も結構良かったから、レモン好きの鞠莉ちゃんに食べてもらったのがきっかけなんだ。

鞠莉「確か、部室で私のレモン好きについて話していたのよね。そしたら曜が作って持ってくるって言ってくれて。次の日、大量のレモン蜂蜜が理事長室に届いたときは、嬉しかったけど笑っちゃったわ」

そうそう。話をしたその日の帰りに、レモンと蜂蜜をいっぱい買い込んで、家の台所でたくさん作ったんだ。あまりの量に、お母さんにも笑われたっけ。

鞠莉「また食べたいな、思い出の味なの」

20: 輝きたい名無しさん 2019/10/05(土) 22:58:34.38 ID:SNuIUYco
曜「言われてみると、最近作ってなかったね」

鞠莉「レモンはストックがあるから、近々よろしくね?」

曜「はーい、任されました。こんなに美味しいお酒だもん、ご恩返しをしなくっちゃね」

鞠莉「ご恩返しだなんて、ふふっ、今日の曜はオーバーステイトね」

曜「そんなことないよ。お酒は美味しいし、鞠莉ちゃんは可愛いしで、これはもうとびっきり贅沢なことなんだもん」

思っていることがストレートに口から出てくる。いつもは照れが入っちゃう私だけど、これもきっとお酒のおかげで――

おや?鞠莉ちゃんの顔が赤くなってる。飲むペースはゆっくりだけど、向こうも酔いが回ってきたのかな。

曜「…ん、ふぅ。美味しかった」

思い出話はポテトチップスよりもお酒が進むみたい。いつの間にか私のグラスは空になっていた。

21: 輝きたい名無しさん 2019/10/05(土) 22:58:44.87 ID:SNuIUYco
鞠莉「あ…こほん。お代わりは?」

曜「お願いしてもいい?」

鞠莉「もちろん。お酒はどのくらい入れる?」

曜「ちょっと濃いめで」

鞠莉「レモンは?」

曜「もちろん多めで」

鞠莉「よろこんでっ」

22: 輝きたい名無しさん 2019/10/05(土) 22:59:33.52 ID:SNuIUYco
グラスを持ってパタパタと台所へ向かう鞠莉ちゃん。台所から聞こえる、カラン、カラン、と氷を入れる音。プシュッという、炭酸水のボトルを開ける音。

その一つ一つが、どれも素敵でかけがえのないものに思えてきて、私は頬の緩みがとまらない。

鞠莉「はい、おまたせ。あら?ぽわぽわしてどうしたの?」

曜「なんかさ、幸せだなーって。実感しちゃったよ」

鞠莉ちゃんの側に居られる日常。幸せに浸るって、こういうことを言うんだね、きっと。

鞠莉「ふふ、それは何よりですっ」

23: 輝きたい名無しさん 2019/10/05(土) 23:00:29.22 ID:SNuIUYco
曜「あ、待って」

グラスを置いて、席に戻ろうとした鞠莉ちゃんをストップする。

鞠莉「ん?」

曜「鞠莉ちゃんは、ここ」

先程まで座っていた向かいの席ではなく、私の隣の椅子をとんとんと叩く。

鞠莉「こっちに来てってこと?」

曜「ここなの。ほら、グラスもこっちに移しちゃったし、早く早くー」

鞠莉「はいはい、失礼します」

曜「えへへ、いらっしゃい!」

少し苦笑しながら隣に座ってくれた鞠莉ちゃんを迎え入れる。

24: 輝きたい名無しさん 2019/10/05(土) 23:01:47.16 ID:SNuIUYco
鞠莉「今日は珍しく甘えん坊ねぇ」

曜「良い子だからねー」

鞠莉「良い子なのに甘えん坊なの?」

曜「良い子だからこそ甘えん坊なんだよ。鞠莉ちゃんもでしょ?」

鞠莉「そういうことにしておくわ」

曜「そうなんだよ。甘えん坊の私が言うんだから、間違いありませんっ」

鞠莉「ふふ、あははっ!そうね、曜のお墨付きだものね、ふっ、あっははは!」

お酒のせいか、それとも鞠莉ちゃんのマネが良かったのか、鞠莉ちゃんは大笑いだった。

曜「へへっ、面白かった?」

鞠莉「ちょ、ちょっとダメ…いまの、可愛くて…!あ、あはははっ!」

うん、狙いとは違った受け方してるのかな…?まあ、楽しそうだからいいよね!

25: 輝きたい名無しさん 2019/10/05(土) 23:04:49.94 ID:SNuIUYco
鞠莉「あ、そう言えばさ、覚えてる?夏祭りに行った時のこと」

ひとしきり笑った鞠莉ちゃんが切り出したのは、これまた高校生の頃の夏の思い出だ。

曜「忘れるわけないよ。あの時はラムネで乾杯したよね」

私たち二人で夏祭りに行くことになって、出店で買ったラムネで乾杯をしたことがあるんだ。

その時に約束したんだ。いつかまた出会って、一緒に夏祭りにいくことがあったら、ラムネで乾杯しようねって。

一緒に暮らし始めて数ヶ月。別々の大学に通う私たちはお互いなにかと忙しくて、結局夏祭りには行けなかったし、当然ラムネで乾杯もまだだけど。

鞠莉「今年のところは、このレモンサワーが代わりってことで」

曜「うん。じゃあ改めて」

鞠莉「あの日の私たちに乾杯」

曜「今日と、これからの私たちに乾杯」

本日2回目のグラスを合わせる音が鳴った。

26: 輝きたい名無しさん 2019/10/05(土) 23:07:28.41 ID:SNuIUYco
……………………………………

その後もしばらくの間、私たちは思い出話に花を咲かせた。色んな話が出たから詳細は省くけど、会話の軸はレモンに置かれていた気がする。なんだかんだで思い出が多いんだ。

あと、私が「レモンってポンコツって意味もあるよね」って言ったときの鞠莉ちゃんのぷくーってした顔。もう最高の可愛さだったよ。

鞠莉ちゃんはしっかり者の頼れるお姉さんなんだけど、ちょっと抜けた部分も持ち合わせていて、そのギャップがもう本当に可愛くって可愛くって――

おっと、ごめんね。私もちょっとお喋りになっているみたい。普段は量を飲まない方だけど、今日は特性レモンサワーを3杯も飲んじゃったせいか、体も頭もすっかり火照っているんだ。

鞠莉「今日のところは、そろそろかしら」

曜「うん、これでご馳走さまにするよ」

ぐいっとグラスを傾ける。美味しいところは飲み終えて、口に入っていくのは溶けた氷だけ。

曜「ふぅ…」

さわやかな余韻は残っていなかった。

27: 輝きたい名無しさん 2019/10/05(土) 23:08:05.45 ID:SNuIUYco
鞠莉「楽しかったね」

曜「うん、幸せだよ。ありがとう、鞠莉ちゃん。側にいてくれて、側にいさせてくれて」

楽しい時間の名残惜しさからか、ちょっとしんみりしちゃったけど、鞠莉ちゃんは私の手を握って。

鞠莉「こっちのセリフよ。いつも支えてくれてありがとう。一緒にいられて嬉しいわ。これからもよろしくね」

その優しい笑顔に、私も微笑みで応えた。

28: 輝きたい名無しさん 2019/10/05(土) 23:08:32.54 ID:SNuIUYco
重ねてくれた鞠莉ちゃんの手からは、レモンの良い香りが漂っている。

曜「鞠莉ちゃんの手、いい匂い」

鞠莉「レモンを絞ったからね」

曜「んー…」

そのまま手の甲に啄ばむようにキスをする。

鞠莉「っと。こらこら、酔ってるの?」

曜「酔ってるよ。鞠莉ちゃんにずっとね」

29: 輝きたい名無しさん 2019/10/05(土) 23:10:14.73 ID:SNuIUYco
鞠莉「まあっ。普段聞かないような台詞が飛び出したところを見ると、これは相当お酒が回って」

曜「鞠莉ちゃん」

鞠莉「!」

ほんのりと赤く色づいた頬を手で撫でながら、鞠莉ちゃんの瞳を見つめる。すでに、自分の姿が写り込むくらいの至近距離だ。

鞠莉「よ、う…」

視線の先にある瞳が、そっと揺れ始めている。

曜「ほっぺ熱いね、ドキドキしてる?」

鞠莉「…うん」

そのまま、唇を軽く重ねて。

曜「…行こ?」

鞠莉「…うんっ」

二人揃って席を立つ。

背伸びな私たちの夜は、まだ始まったばかり――



終わり

30: 輝きたい名無しさん 2019/10/05(土) 23:11:00.80 ID:SNuIUYco
全弾撃ち尽くしました。お酒を交えた、ちょっと大人なレモンの日ようまりです。

↓は前日談的なもので、本編で言うところのレモンな思い出です。よろしければ併せておねがいします。

曜「鞠莉ちゃんのレモンな思い出」

↓は前に書いたものです。よろしければ併せてお願いします。

曜「鞠莉ちゃんと放課後デート」

ありがとうございました。

31: 輝きたい名無しさん 2019/10/05(土) 23:50:36.53 ID:V+7ye096

32: 輝きたい名無しさん 2019/10/06(日) 03:34:09.95 ID:IyEzEAbG
むほっ

33: 輝きたい名無しさん 2019/10/06(日) 04:04:52.09 ID:IDac+LLa
凄く甘いけど読後感爽やかでまさにレモンサワーって感じで素敵だった
次回作も待ってます

引用元:http://fate.5ch.net/test/read.cgi/lovelive/1570283140/











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