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【SS】果南「卒業ですね」【ラブライブ!サンシャイン!!】

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1: 輝きたい名無しさん 2019/07/05(金) 22:35:44.42 ID:NFgXdEsv
果南「あ」

果南「無くした」

────3月9日─11:15分─松浦家

2: 輝きたい名無しさん 2019/07/05(金) 22:36:54.07 ID:NFgXdEsv
果南「どうしたっけ……あれー…」

あれを失くすののはヤバい。人として?友達として…?元…恋人として。というか中もまだ…見てないし。

果南「うーん、どこで…?」

私は思い出す。まず1時間前。貰った時から────。

3: 輝きたい名無しさん 2019/07/05(金) 22:37:40.43 ID:NFgXdEsv
─────10:5分─浦の星女学院

ダイヤ「あの…」

一同「?」

ルビィ「あっ…」アセッ

ダイヤ「あの、ですね。私たちは今日でめでたく卒業なわけですわ」

鞠莉「無事にね…」チラッ

果南「何で私を見るのさ」

鞠莉「だってぇ~。あんなに休学してよく単位取れたと思わな~い?それも全部マリーのお・か・げ♪」

4: 輝きたい名無しさん 2019/07/05(金) 22:38:42.73 ID:NFgXdEsv
梨子「嘘…」

曜「……」

善子「不正よ…強権者による悪行よ!」

花丸「その通りずら!弾劾裁判の開廷を要求するずら!」

ルビィ「果南ちゃん…」

果南「実は、私…」

梨子「なんで乗っちゃうの!?」

千歌「果南ちゃん、卒業取り消し!」ビシッ

善子「海に逃げなさい!海に!」

花丸「うるさいずら」

善子「えぇ!?さっきは乗ってくれたじゃない!!」

5: 輝きたい名無しさん 2019/07/05(金) 22:39:13.36 ID:NFgXdEsv
ダイヤ「……………」

ダイヤ「…話しても?」

鞠莉「Oh…Sorry」

ダイヤ「まったく皆さんは…あのですね、私、この卒業という私たち三年生の高校生活の総括、そして一、二年生の…」

鞠莉「長い!そういうのは式で終わり!で、どうしたの?」

6: 輝きたい名無しさん 2019/07/05(金) 22:39:53.00 ID:NFgXdEsv
ダイヤ「皆さんに手紙を書いてきましたの」

千歌「お~~~!」

曜「ありがとう!」

梨子「そんなわざわざ…ありがとう」

善子「手紙!」

ルビィ「手紙!」

花丸「手紙ずら!」

一年生「Yeah!」ハイターッチ!

ダイヤ「こっちは一年生に、で、二年生…鞠莉さん。これが…」

ダイヤ「果南さん」

7: 輝きたい名無しさん 2019/07/05(金) 22:40:44.33 ID:NFgXdEsv
果南「(そういえば、前にハートのシールで封をした手紙、もらったな。ベタだなぁって思ったけど、嬉しかったな)」

果南「…ありがと、ダイヤ」

果南「ダイヤは…」

筆まめだね、相変わらず───いや。

果南「丁寧だね、どの封筒も」

相変わらず、なんて言うと二人の文通を思い出させるようで。
でも「どの封筒も」なんていうと「前は私だけにくれたのにね、という風に聞こえるだろうか。

8: 輝きたい名無しさん 2019/07/05(金) 22:41:47.96 ID:NFgXdEsv
鞠莉「果南…」

果南「?」

鞠莉「考えすぎだよ」

果南「え…」

鞠莉「考えすぎの、顔してる」

果南「そう…かな」

千歌「じゃ、12時からうちの部屋貸切って卒業&閉校パーティだからね!みんな遅れないようにね!」

9: 輝きたい名無しさん 2019/07/05(金) 22:42:24.95 ID:NFgXdEsv
────約一時間後─松浦家

果南「貰ってすぐ、しまったはずなんだけどな」

無い、無い、無い。手紙はどこにもない。

果南「(こんなんだから…愛想つかされちゃったんだよね)」

10: 輝きたい名無しさん 2019/07/05(金) 22:42:56.24 ID:NFgXdEsv
────同時刻─旅館『十千万』─広間

千歌「ごめんねー、手伝わせちゃって」

梨子「平気よ、隣の家だし…どうせ後で来るんだから」

千歌「まぁ、そっかぁ」

梨子「…ねぇ」

千歌「?」

梨子「果南ちゃんとダイヤさん、何で別れちゃったの…?」

千歌「うーん、なんかねぇ…」

11: 輝きたい名無しさん 2019/07/05(金) 22:43:53.61 ID:NFgXdEsv
二人とも…特に果南ちゃんかな。あ、今のは……そういうの良いから!今は!

アハハ…ごめん、でね、人気あるでしょ?生徒からさ。

ダイヤさんの方は付き合いだしてからは他の女の子との関わりは最小限にしてたみたいなんだ。

まぁ、人気があるって言ってもダイヤさんのファンの子たちってこっそり陰から応援する感じだから…まぁそれもあるんだけど、ダイヤさん、果南ちゃんだけのものでいたかったんだって。乙女だよね~。

で、果南ちゃんもダイヤさんだけのものでいて欲しかったんだって。まぁ、わかるよね…

でも、果南ちゃんはそういうのあれだからさ…そういうの、あんまり考えてなかったし、ダイヤさんに言われてもピンと来なかったみたいなの。

12: 輝きたい名無しさん 2019/07/05(金) 22:45:31.40 ID:NFgXdEsv
────────回想─いつかの梅雨

ダイヤ『やめて欲しいんですの。相談に乗ったり、ダイビング教えたり…もちろん校内で話すとか、お客さんとしてとか、そういうのに文句を言うつもりはありませんわ。けれど、そういう方々と外で会ってまで……二人きりで。そういうのは…』

果南『私、そういう子たちの事、何とも思ってないよ?私が好きなのは…』

ダイヤ『だったら!…私の事、もっと……それに果南さん、私といる時より他の方とお話ししている時の方が……』

13: 輝きたい名無しさん 2019/07/05(金) 22:46:17.11 ID:NFgXdEsv
果南『……』

ダイヤ『もっと私を……』

気は合った。とても合った。
だけど、話は合わなかった。

ソリは合った。とても合った。
だけど、話は合わなかった。

恋愛への価値観も、180度合わなかった。でも、言ってはいけないとわかっていた。

…………今思うと、言っておけば良かったのかもしれない。

14: 輝きたい名無しさん 2019/07/05(金) 22:47:11.77 ID:NFgXdEsv
──────で、ダイヤさんも疲れちゃったのかな。うん。疲れちゃったんだよね。二人は別れちゃった。1年半くらい続いたかな。

二人って、文通してたよね。

あー、ダイヤさんの案でね。

可愛い人だね、やっぱり。

…果南ちゃんからすれば、そういうのも合わなかったんだろうね。クリスマスとか、記念日とか……あんまり大事だと思ってなかったんじゃない?

……変な話だけどさ。

…うん?

二人って、どこまでいったのかな。

……それ聞く?

でも気になるし…

15: 輝きたい名無しさん 2019/07/05(金) 22:47:55.75 ID:NFgXdEsv
────────松浦家

果南「やっぱり、無い…」

果南「疲れた」ゴロン

果南「はぁ……」

果南「(寝ると色んな事を思い出す)」

果南「(ダイヤは、やさしかったな)」

果南「(私は、やさしくなかった)」

果南「ダイヤは、普通の恋愛がしたかったんだよね」

16: 輝きたい名無しさん 2019/07/05(金) 22:49:15.68 ID:NFgXdEsv
でも私は、その普通の恋愛に馴染めなかった。

全部が友情の延長線上のような感覚で、だからキスより先には行けなかったのかな。

私は普通の恋愛を求める貴女から逃げて、私に好意を向けてくれる“可愛いファン”の子たちとの交流に逃げた。
恋人としての責任を持たなくても良いその軽薄なやりとりは私にとってとても楽だった。

17: 輝きたい名無しさん 2019/07/05(金) 22:50:31.98 ID:NFgXdEsv
それでも。なんだか矛盾するようだけど、同時に息が詰まった。

彼女たちのすべての言動に好かれてやろうという下心を感じて、それが何となくキツかった。

今ではとんだブーメランだ。ダイヤと私の今の関係がそれだ。

大嘘だ。「別れた後も友達でいれる恋人が一番良い」なんて。
別れた元恋人たちの友情なんて。
未練がある方が無い方にすがる、みじめな関係だ。いや─────

18: 輝きたい名無しさん 2019/07/05(金) 22:50:50.53 ID:NFgXdEsv
果南「私だけか」

果南「私だけがみじめだ」

19: 輝きたい名無しさん 2019/07/05(金) 22:51:37.43 ID:NFgXdEsv
────────同時刻─黒澤家

ルビィ「…お姉ちゃん」

ダイヤ「どうしました?」

ルビィ「聞いても良いかな」

ダイヤ「えぇ」

ルビィ「果南ちゃんへの手紙は、何て書いたの?」

ダイヤ「……何って、別に─────」

20: 輝きたい名無しさん 2019/07/05(金) 22:54:09.35 ID:NFgXdEsv
─────────────────────

あー、ダメだ。手紙、見つかんないや。

それにしても私、おかしいよね。私、わがままだよね。
私が、私が一方的に突き放して、重い女みたいに扱って。違う女の子の悩み相談に延々と乗ったり、それを口実にダイヤから逃げて。

本当に馬鹿なんだな。

私はたくさん、感謝しないといけないのに。休学中に、遅れた分の勉強教えてくれて。

店の手伝いで大人に混じって仕事をする私が辛くて、逃げ出しそうになったときも支えてくれて。

でも私は何も返せなかった。返さなかった。

─────────────────────

21: 輝きたい名無しさん 2019/07/05(金) 22:55:14.75 ID:NFgXdEsv
────────回想─いつかの夏

果南『ごめんね、ダイヤ。学校帰りにわざわざうちまで……そんな近くもないのにさ』

ダイヤ『いえ、恋人ですし……当然ですわ』

果南『……ありがとね。私、最近愚痴ばっかり。
ダメなんだよ。せっかくお父さんが私を信頼して任せてくれた仕事もミスばっかりで。
ダイヤ、私と一緒にいたって幸せにはなれないよ。一緒にいない方が良い。もう無理なの。一緒にいたらダイヤまで不幸になっちゃう』


否定してほしい。いいえ、幸せになれますわ、って。言ってよダイヤ。お願い言って……

22: 輝きたい名無しさん 2019/07/05(金) 22:57:26.26 ID:NFgXdEsv
ダイヤ『いいえ。大丈夫ですわ。果南さん。
私は果南さんといれて幸せですもの。果南さんが私の幸せのためにと頑張らなくて良いのですわ。
私は貴女のおかげで、今十分幸せです。貴女が不幸で、そのせいで私が不幸になってしまうというなら。
逆だって同じですわよ。私は貴女のおかげで、貴女の不幸以上に幸福ですから。幸福な私が、不幸な貴女の傍にいれば、それで解決ではありませんか』

あぁ。ダイヤはいつも、私の望む以上の事を言ってくれるんだね。

23: 輝きたい名無しさん 2019/07/05(金) 22:58:09.97 ID:NFgXdEsv
ダイヤ『だから、大丈夫ですわ』

でも私は、最後は貴女を不幸にした。やっぱり私といても、幸せにはなれなかったね。

もう、私はそれを否定してあげられませんわ。私は確かに疲れてしまったんですもの。貴女の傍にいることに。

24: 輝きたい名無しさん 2019/07/05(金) 22:58:40.19 ID:NFgXdEsv
────────黒澤家─11:45分

ダイヤ「……」

ダイヤ「………ルビィ、そろそろ千歌さんのところへ行きましょう」

ルビィ「あ、うん。そうだね…そろそろだよね」

25: 輝きたい名無しさん 2019/07/05(金) 22:59:18.55 ID:NFgXdEsv
────────旅館『十千万』─12:02

「「「卒業、おめでとうございまーす!!!」」」

パァーン!パチパチパチ!イェーイ!オメデトー!パチパチパチ!

「理事長業も大変だったわぁ!」

「お疲れ様です鞠莉さーん!!」

「Yeah~!シャイ煮持ってきなさぁーい!」

「フッ……堕天使の涙もあるわよ…」

「廃棄ずら廃棄。アンチ健康食品を内浦に流通させてはいけないずら」

26: 輝きたい名無しさん 2019/07/05(金) 22:59:59.40 ID:NFgXdEsv
「本当にお疲れ様です……」

「そればっかりじゃ駄目ですわよ?私たちがいなくなってからは貴女たちが色々やるのですからね」

「えぇ~」

「千歌ちゃん、生徒会長やってみる?」

「えぇ~」

「じゃあ、やめる?」

「やめる!」

アッハッハッハッハッッハッハwタノシー!オメデトーゴザイマス!ナンカイイウノヨww

27: 輝きたい名無しさん 2019/07/05(金) 23:00:39.07 ID:NFgXdEsv
花丸「おめでとうずら。果南ちゃん」

果南「ん……ありがと」

花丸「……果南ちゃん、なんかテンション低くないずら?」

果南「いやぁ、何か感慨深くてさ……色々」

花丸「まぁ、そりゃあね…とにかく三年間お疲れ様ずら」

28: 輝きたい名無しさん 2019/07/05(金) 23:01:28.20 ID:NFgXdEsv
果南「何かね…まだあんまり実感沸かないんだよね。明日も明後日も、まだ学校に行く気がして。もう二度とないって…なんか変な感じ」

花丸「すぐに思い出に変わるずら」

果南「思い出ね…。私さ、今の時代って思い出を時系列順に思い出せない気がするんだ」

29: 輝きたい名無しさん 2019/07/05(金) 23:02:03.69 ID:NFgXdEsv
果南「夏の思い出も秋の思い出も、全部一緒くたにカメラロールに保存してあるでしょ。

確かに順番に入っていると言えばそうなんだけどさ。ビューンってスクロールすればどっちだって一瞬に見れちゃうでしょ。

TwitterとかLINEでつながってれば、小学校の友達と話すのも、高校の友達と話す手間も同じでしょ。

全部が全部並列化されて…思い出って、やっぱり遠くなるほど強くなるものなのに。それがなくなってる気がして…」

花丸「ふふ、やっぱり果南ちゃん、今日は感傷的ずら」

31: 輝きたい名無しさん 2019/07/05(金) 23:02:52.89 ID:NFgXdEsv
果南「えー、卒業式の日ぐらい、感傷的にさせてよ」

花丸「そうだね…だったら感傷ついでに、話したい事全部話しちゃえば良いずら」

果南「じゃあ…ちょっと散歩、付き合ってくれる?」

花丸「……校舎裏?」

果南「…なんだと思ってるのさ、私の事」スタッ

32: 輝きたい名無しさん 2019/07/05(金) 23:03:27.29 ID:NFgXdEsv
鞠莉「おぉー?二人でどこへー?」

果南「ちょっと買い出し。色々足りなくなってきたでしょ?」

梨子「あっほんとだ…飲み物が結構アレかな」

花丸「じゃ、行ってくるずら」

ダイヤ「……」チラッ

千歌「?ダイヤさん、どうかした?」

ダイヤ「いえ…」

33: 輝きたい名無しさん 2019/07/05(金) 23:04:24.17 ID:NFgXdEsv
────────回想─いつかの秋

ダイヤ『今度はここ、二人で来ませんか?』

果南『9人じゃなくて?』

ダイヤ『えぇ』

果南『じゃあ、今抜け出しちゃう?』

ダイヤ『!?そんなのいけませんわ!!』

果南『まじめだねぇ、ダイヤは』




ダイヤ「・・・卒業ですから。少し、昔の事を」

34: 輝きたい名無しさん 2019/07/05(金) 23:05:21.87 ID:NFgXdEsv
────────静岡県道17号線─路上

花丸「買い出しって…どこまで行くずら?」

果南「そこのセブンかな」

花丸「ん」

果南「…知ってるよね、私とダイヤが…付き合ってたの」

花丸「うん……でも、別れたから何ってわけでもないって聞いたずら。普通に喋ったり、遊んだり……」

果南「恥ずかしいな」

花丸「恥ずかしい?」

35: 輝きたい名無しさん 2019/07/05(金) 23:06:04.90 ID:NFgXdEsv
果南「だって、見苦しいでしょ。終わったのに。
平気な顔して、内心もしかしたら、もしかしたらって期待してるみたいで。
ダイヤの“友達でいてあげよう”って善意に付け込んで。私は多分ずっと、下心だけで縋り付いてる」

花丸「……そんな」

果南「ううん、そうなの」

36: 輝きたい名無しさん 2019/07/05(金) 23:06:53.38 ID:NFgXdEsv
果南「何だろうな。私、ダイヤとセ●クスがしたかったのかな。多分、私ってダイヤの、世間知らずで、子供っぽい部分……どこか、ルビィよりもさ」

果南「しっかりしよう、大人になろうとして頑張ってるせいなのか、逆にどこか子供っぽい。そういうとこが好きだったんだよね」

果南「同時にその子供っぽさ、無垢が失われるのもすごく嫌だった。今も嫌。あの子のイノセンスが失われるのが嫌。それがこの先誰かに踏み荒らされるなら、自分で奪った方が良かった」

花丸「じゃあ何で……そうしなかったずら?」

果南「…なんだろうね。本当に…….何で」

37: 輝きたい名無しさん 2019/07/05(金) 23:07:33.31 ID:NFgXdEsv
────────回想─いつかの冬

鞠莉『ねぇ果南、そろそろダイヤともう1step先に進んだら~?』

果南『え・・・・・』

鞠莉『キスは、したんでしょ?』

果南『…それ、ダイヤにも話したの?』

鞠莉『え…いや、こういうのはさぁ』

果南『ダイヤはなんて言ってるの』

鞠莉『……はぁ。ダイヤは“果南さんがそういうことしたいなら”って』

38: 輝きたい名無しさん 2019/07/05(金) 23:08:09.79 ID:NFgXdEsv
果南『………それ、ほんとはしたくないってことでしょ?』

鞠莉『……いや、まぁ』

果南『だったら』

果南『この話はおしまい。良いでしょ、そういうのは、私たちのペースで進めるから』

鞠莉『……後悔だけは、しないようにね』

39: 輝きたい名無しさん 2019/07/05(金) 23:08:56.32 ID:NFgXdEsv
────────同時刻─旅館『十千万』

鞠莉「ダイヤ~~」

ダイヤ「鞠莉さん…卒業ですわね。今日で…っていうか、え!?」

鞠莉「えへ~飲んじゃった~♪」

ダイヤ「な…なにをやってるんですか貴女は!?羽目を外しすぎですわ!?」

鞠莉「パパのパーティーとかでも飲むし~ダイヤだってお正月に挨拶周りするときとかお屠蘇頂くでしょお?」

ダイヤ「今はパーティでも正月でもありません!全く貴女は…」

鞠莉「ダイヤ…」キリッ

ダイヤ「な、なんですの…」

40: 輝きたい名無しさん 2019/07/05(金) 23:09:21.12 ID:NFgXdEsv
鞠莉「ありがとね、三年間。貴女がいてほんとに良かった。大好き、ありがとうダイヤ。ずっと友達でいて。私の、大好きな人。黒澤ダイヤ」

ダイヤ「な…///そんな、歯が浮くような……いきなりなんですの///鞠莉さん」

鞠莉「…本当の事って、なかなか言えないものなのよ」

ダイヤ「……え」

41: 輝きたい名無しさん 2019/07/05(金) 23:10:04.76 ID:NFgXdEsv
鞠莉「だから、果南が何か言おうとしてきたら、聞いてあげてね」

ダイヤ「……」

鞠莉「私だって、お酒飲んでなかったら今みたいな事、言えないかもしれない」

鞠莉「ね。私たち、もう大人なんだから。少しだけ、だけどね」

ダイヤ「私は……」

鞠莉「全部わかってる。今まで3人、上手くやってきたでしょ。私、二人が気まずくなるのは嫌よ?」

ダイヤ「わかってますわ……それに、気まずくなんて」

鞠莉「…なら、いいの」

42: 輝きたい名無しさん 2019/07/05(金) 23:10:50.36 ID:NFgXdEsv
千歌「さて……そろそろかなぁ」

梨子「え…!もうこんな時間!?」

善子「バス……大丈夫かしら?」

曜「まだ平気なはずだよ。でも、そろそろ行かないとね」

鞠莉「えー?まだ夜は始まったばっかなのにー」

果南「はいはい、後輩困らせないの」

ルビィ「帰ろ、お姉ちゃん」

ダイヤ「えぇ、行きましょうか。今日はありがとうございました、千歌さん」

43: 輝きたい名無しさん 2019/07/05(金) 23:11:21.45 ID:NFgXdEsv
千歌「うん!鞠莉ちゃん、果南ちゃん、ダイヤちゃん、本当に今までありがとう!お疲れ様!!」

梨子「おめでとうございます!」

善子「ほんとにお疲れさま……おめでとう」

ルビィ「お姉ちゃんたち……ありがとう」

花丸「おめでとうずら」

鞠莉「はーい!センキュ~♡」

ダイヤ・果南「あり「あり……あっ」

ダイヤ「……どうぞ」

果南「ん……。皆、ありがとね」

ダイヤ「…ありがとうございます。皆さん。おやすみなさい」

44: 輝きたい名無しさん 2019/07/05(金) 23:11:49.08 ID:NFgXdEsv
「おやすみーー!」「またね!」「もう、すぐ会うでしょ?」「そうそう、今日が最後じゃないんだから」「じゃあねー」「あ、やっぱ急がなきゃだ!」「嘘―!」「おやすみなさーい」

45: 輝きたい名無しさん 2019/07/05(金) 23:12:18.49 ID:NFgXdEsv
────────松浦家─23:45分

果南「……」

果南「……よしっ」

果南「……」ポチポチ

果南「……」送信!

46: 輝きたい名無しさん 2019/07/05(金) 23:14:02.61 ID:NFgXdEsv
────────LINE─【果南・ダイヤ】

今日

かなん『春休み、どっかで遊ばない?』23:45

かなん『暇だったらで良いけど』23:48





23:45 既読
23:48 既読

果南「!!」

果南「(危な…返信来る前に閉じて良かった…)」

スッ 通知[Dia から新着メッセージがあります]

果南「……」ゴクリ

47: 輝きたい名無しさん 2019/07/05(金) 23:15:14.24 ID:NFgXdEsv
Dia『良いですわよ』23:48

果南「!……良しっ!良し……」

果南「で…どうしよう……ぁ」

Dia『みとしーで構いません?』23:48

かなん『OK』23:49



かなん『いつ暇?』23:52

48: 輝きたい名無しさん 2019/07/05(金) 23:16:13.55 ID:NFgXdEsv
23:54 既読

Dia『日曜日』23:54

かなん『次の?』23:55

Dia『〇』23:55

かなん『わかった。了解』23:55

Dia『ヨーソロー(*> ᴗ •*)ゞ』23:56

Dia『おやすみなさい』23:56

かなん『おやすみー』23:56

果南「ふぅ…」

果南「服でも…買おうかな」

49: 輝きたい名無しさん 2019/07/05(金) 23:16:55.46 ID:NFgXdEsv
────────翌日・デートまであと5日(3/9)

LINE【果南・鞠莉】

かなん『この服とこの服、どっちがいいと思う?』14:10

Marie『えーーー』14:16

Marie『二枚目かなん』14:16

かなん『ヨーソロー(*> ᴗ •*)ゞ』14:20

50: 輝きたい名無しさん 2019/07/05(金) 23:18:29.09 ID:NFgXdEsv
────────デートまであと4日(3/10)

LINE【梨子・千歌】

Rico.S『ダイヤさんと果南ちゃんって、今はどうなってるのかな』19:45

チカ『!』20:02

チカ『別れちゃったんだよ……』20:03

Rico.S『いや、それはこないだ千歌ちゃんから聞いたんだけど……』20:19

51: 輝きたい名無しさん 2019/07/05(金) 23:19:10.06 ID:NFgXdEsv
────────デートまであと3日(3/11)

LINE【曜・善子】

YOU『果南ちゃんが服買ってるの見た。。。』 10:24

よはね。『へー』12:30

よはね。『そりゃ服ぐらい買うでしょー』12:31

YOU『すごい可愛いやつだよー。しかも似合ってるの』12:40

YOU『やばい』12:40

よはね。『ヨーソロー(*> ᴗ •*)ゞ』12:59

YOU『それやめて』13:12

よはね。『えっ……!?』13:23

52: 輝きたい名無しさん 2019/07/05(金) 23:20:32.07 ID:NFgXdEsv
────────デートまであと2日(3/12)

LINE【ダイヤ・ルビィ】

Dia『今外ですけど、何か買うものありましたか?』16:27

RUBY『いらない。でも、お家に飴ないよ?』16:30

Dia『欲しいのですか?』16:31

RUBY『いや、いつもお姉ちゃん、果南ちゃんとデートするとき飴もってってたから』16:31

Dia『デートじゃありませんわ。もう果南さんは恋人じゃありませんもの』16:43

RUBY『そうなんだ。ルビィ、まだ好きなのかと思ってた』16:43

Dia『違いますわ。もう違う。果南さんは大切な友人ですわ』16:47

53: 輝きたい名無しさん 2019/07/05(金) 23:21:50.74 ID:NFgXdEsv
────────デートまであと1日(3/13)

LINE【花丸・果南】

国木田 花丸『明日だね』

かなん『私さ、今まで大人ぶってたんだ。終わった恋愛を蒸し返すなんてダサい。そんなの、やるもんじゃないって』

かなん『良いのかな。子供みたいにワガママに、もう一回、もう一回なんて。自分のやってきたこと棚上げして、そんな事言って、良いのかな』

国木田 花丸『大丈夫』

かなん『でも』

国木田 花丸『大丈夫』

国木田 花丸『どんな選択をしても、マルは間違っていないと思う』

かなん『私、頑張るよ』

国木田 花丸『マルは…応援する』

54: 輝きたい名無しさん 2019/07/05(金) 23:22:25.87 ID:NFgXdEsv
────────デート当日(3/14)─黒澤家前

果南「おはよ!」

ダイヤ「えっ…!?何で果南さん、ここに」

果南「走って2分くらいだしね、どうせだし迎えにきちゃったよ。おはよ、ルビィ」

ルビィ「おはよ、果南ちゃん」

ダイヤ「じゃあ、行ってきますわ。ルビィ」

果南「いってきまーす」




ルビィ「…頑張ってね。果南ちゃん」

ルビィ「……ちょっと、震えてたな」

55: 輝きたい名無しさん 2019/07/05(金) 23:23:08.02 ID:NFgXdEsv
果南「それで、善子が~~~~」

ダイヤ「まぁ…そうなんですの?」

果南「そしたら……」

ダイヤ「ふふっ.......」

果南「で………」

ダイヤ「ん……着きましたわよ」

果南「お……うん」

果南「(話が止まると、息が詰まりそう。沈黙が溝を深くしていく気がして……)」

ダイヤ「果南さん?」

果南「えっ……あ、ごめん」

56: 輝きたい名無しさん 2019/07/05(金) 23:24:16.03 ID:NFgXdEsv
ダイヤ「もう…ぼーっとしてるからチケット代払っておきましたわよ?はい、2200円」

果南「あ、ごめんありがと。ていうか、意外と高いよね…」

ダイヤ「言わない約束ですわ」

果南「じゃ、いこっか」

ダイヤ「……!」

果南「!(やばっ)」

果南「(思わず手を引こうとした。ダイヤとここに来るのは、もう、4回目だから…)」

ダイヤ「……」

果南「……………」

57: 輝きたい名無しさん 2019/07/05(金) 23:25:10.70 ID:NFgXdEsv
ダイヤ「……私、昔からこう思ってましたの」

果南「?」

ダイヤ「中に入ると魚がたくさんいて、海の動物のショーが見れて…美味しい食事も出来て、人も大勢いて…水族館って、竜宮城みたいですわよね」

果南「ダイヤって…やっぱり時々子供みたいだよね」クスクス

ダイヤ「今回私をここに連れてきてくれたのは果南さん…つまり、亀ですわね」

果南「だったら、ダイヤが浦島太郎?」

ダイヤ「えぇ。そうなりますわね」

58: 輝きたい名無しさん 2019/07/05(金) 23:26:24.53 ID:NFgXdEsv
果南「フフッ……そんな、マジメな顔で……なんでいきなりそんな…」

ダイヤ「さぁ、案内してください?あの魚はなんですの?」

果南「えっと……あれはサクラダイ」

ダイヤ「で、どんな魚ですの?」

果南「きれいだけどね…あ、桜鯛とは別だよ?」

ダイヤ「えっ…そうなのですか…じゃああの、桜鯛のカルパッチョとか……」

果南「あれは真鯛の別名。春に料理に使う時そう呼ぶの。商品名みたいな感じかな」

ダイヤ「そうなんですの…それで?」

果南「いや……そんくらいかな」

59: 輝きたい名無しさん 2019/07/05(金) 23:27:48.05 ID:NFgXdEsv
ダイヤ「………」

果南「………(沈黙はきつい。何か…)」

ダイヤ「果南さん」

果南「!うん」

ダイヤ「私は果南さんのお話を聞くのが好きですの。果南さんの知っている事を聞きたい。果南さんの思っていることが知りたいのです」

果南「ダイヤ…」

ダイヤ「さぁ、じゃああれは何というのですか?」

果南「あれはテンジクアジって言って…」

ダイヤ「なるほど…」

60: 輝きたい名無しさん 2019/07/05(金) 23:28:13.84 ID:NFgXdEsv
果南「(私は幸せだった。ダイヤはよく笑った。嬉しかった。嬉しくて嬉しくて、もっともっと話した。でも本当に話したかったことは、まだ…)」

ダイヤ「果南さん、これは?」

果南「あぁ、この子はね……」

61: 輝きたい名無しさん 2019/07/05(金) 23:28:45.81 ID:NFgXdEsv
ダイヤが魚を見ている時、私はダイヤを見ていた。
ダイヤが私を見る時、私は魚を見ていた。

別に意識していたわけじゃない。私たちの見ているところはいつもどこか少しだけずれていた。

どれだけの熱視線でも、いつも。

お互い、言葉の不器用な性質なのだから、きっと眼で色々伝えあえば良かったんだ。

62: 輝きたい名無しさん 2019/07/05(金) 23:29:20.43 ID:NFgXdEsv
ダイヤ「……あんなの、ありましたっけ」

果南「え?へー…新しくできたんだね。こんな水槽」

ガラス張りの円柱の中を、クラゲがふわふわしていた。

ダイヤ「……可愛いですわね」

果南「ね。珍しいよね、こんな水槽」

63: 輝きたい名無しさん 2019/07/05(金) 23:30:04.36 ID:NFgXdEsv
ダイヤ「…ではなくて」

ダイヤの目線の先にはじゃれ合う子供たちがいた。女の子が3人、その円柱の水槽をぺたぺた触っていた。

芸達者なクラゲなのか、手の平をつくとそこへ何匹か集まってくる。

果南「そっちか」

飽きたのか、子供たちはふらふら他の水槽に移った。

ダイヤ「面白いですわね」ペタペタ

64: 輝きたい名無しさん 2019/07/05(金) 23:30:37.73 ID:NFgXdEsv
ダイヤはいつの間にか、水槽の向こう側にいた。私を見ていた。思わず顔を隠すように水槽に手をついた。

クラゲが集まり、私の視界を遮った。

果南「(……ちょっと失礼か…)」サッ

ダイヤ「……」サッ

軽く笑って、今度はダイヤが水槽に手をつく。
クラゲが集まって隠したその顔は、今どんな表情をしているんだろう。

65: 輝きたい名無しさん 2019/07/05(金) 23:31:30.97 ID:NFgXdEsv
「お、これ面白いね」

「ホントだー……わっ、手ぇつくとめっちゃクラゲ寄ってくるよ」

「おー、すごー」

横から来た客がクラゲで遊び始め、彼らの手のひらにクラゲは集まって行った。遮るクラゲはいなくなり、私とダイヤは正面から向かい合うこととなった。

66: 輝きたい名無しさん 2019/07/05(金) 23:32:51.56 ID:NFgXdEsv
ダイヤ「……」

果南「……」

ダイヤは、何を考えているんだろう。ガラス越しの翠の目からは、何も読み取れない。

「まぁ、そろそろ行くか」

「ん~~~」

またクラゲが、水槽に広がる。

「行きましょうか」

「果南さん?」

果南「あ…うん、行こう」

ダイヤ「あら…こんな時間なのですね」

果南「だいぶ経ったね。帰ろうか」

67: 輝きたい名無しさん 2019/07/05(金) 23:33:38.30 ID:NFgXdEsv
ダイヤ「……そうですわね。もう私を、地上に返すのですか」

果南「…そうだね。夢みたいな時間は、終わり。
もう、時間を忘れて楽しんでられないの。無邪気に見たい夢だけを見て笑っていられるのは、写真の中の私たちだけ。ねぇ………写真。撮ろうよダイヤ」

─────私にしては、勇気を出した提案だった。

68: 輝きたい名無しさん 2019/07/05(金) 23:36:14.94 ID:NFgXdEsv
ダイヤ「!…えぇ。もちろんですわ」

果南「……ありがと。じゃあ、私の携帯で……」

ダイヤ「はい」

果南「……ダイヤ」

ダイヤ「!……なんですか」

果南「もうちょっと……詰めないと、入らない」

ダイヤ「……」ギュッ

果南「!……近いよ。ダイヤ」

「……………」パシャッ

「…………もう1枚」

「……………」パシャッ

「………」

「……………」

果南「ん……良く撮れてる」

ダイヤ「あら、ほんとですわね」

果南「うん」

ダイヤ「…………」

果南「…………」

ダイヤ「…行きましょう」

果南「…うん」

69: 輝きたい名無しさん 2019/07/05(金) 23:36:48.53 ID:NFgXdEsv
────────20:00─黒澤家前

ダイヤ「今日は楽しかったですわ」

果南「うん、私も」

ダイヤ「…ねぇ、もう私に話すこと、無いのですか?」

果南「え…」

ダイヤ「…」

果南「私は…」

70: 輝きたい名無しさん 2019/07/05(金) 23:38:24.59 ID:NFgXdEsv
果南「(私は今日、幸せだった。ダイヤはよく笑った。私は嬉しかった。
嬉しくて、嬉しくて、もっともっと話した。だけど本当に話したいことは、ずっと話したかったことは。)私は………」

果南「特にない…かな。また、ね」

ダイヤ「……………そう、ですか」

もう一度。


もう一度聞いてほしい。

もう一度聞かれたら、その時は答えられる気がするから────。

71: 輝きたい名無しさん 2019/07/05(金) 23:39:53.91 ID:NFgXdEsv
ダイヤ「そう」

ダイヤ「……そう…おやすみなさい」

果南「………うん」

果南「(その後も、鞠莉を交えたり、1、2年生も集まってきたりして私たちは何度か会った。イタリアにも行った。…あの時は、楽しかったな)」

果南「(決して何かあったわけじゃないけど、回を重ねる毎にダイヤと話す頻度は減っていったような気がする)」

果南「(何故かは…考えたくない。私は卑怯だから)」

そのうちダイヤは東京へ行った。


私も見送りに行った。最後に何て、声をかけたろうか。

72: 輝きたい名無しさん 2019/07/05(金) 23:41:01.30 ID:NFgXdEsv
────────そして、しばらく。

鞠莉『─────ちょっと、聞いてるの果南?』

果南『えっ』

鞠莉『もー、電話中に黙られると不安になるでしょー?だからぁ、千歌たちの新歓パフォーマンスがあるんだって。行くでしょ?果南はまだ日本だっけ?』

果南『いったん海外行きの準備っていうか…こっちで出来る事やってから向こう行った方が効率良いんだよね。鞠莉はこっち戻ってくるの?』

鞠莉『イエース!飛行機でひとっ飛びデース!それで、行くのよね?』

果南『そりゃ行くよ…それってさ』

73: 輝きたい名無しさん 2019/07/05(金) 23:41:43.65 ID:NFgXdEsv
鞠莉『何?』

果南『や、やっぱいい』

鞠莉『…ハァ……来るわよ。ダイヤも。インスタ見てないの?』

果南『へ~、ダイヤ、そんなのやってるんだ』

鞠莉『来なかった?申請』

果南『いや、私もやってないし』

鞠莉『そうなのー?東京の大学生じゃなくたって…っていうか、女子高生の時から皆アカウントくらいなら持ってるものなのにー』

74: 輝きたい名無しさん 2019/07/05(金) 23:43:08.31 ID:NFgXdEsv
果南『えー、私以外多分にもいるでしょ。マルとか。にしてもダイヤがそんなのを…東京に染まったって事でしょ』

鞠莉『うーわー、相変わらず頑固親父なんだからぁ…まぁ、それは置いといて、とにかく新歓は行くのよね?』

果南『うん。あ、ねぇ……教えてよ』

鞠莉『インスタ?ダイヤの?』

果南『ん、まぁ』

75: 輝きたい名無しさん 2019/07/05(金) 23:43:49.25 ID:NFgXdEsv
鞠莉『じゃあまず果南のアカウント作らないといけマセーン!やっといてね』

果南『ん…はい』

鞠莉『えーっと…そんぐらいね。じゃ、新歓の時にね。シャイニ~!』

果南『おやすみー』

76: 輝きたい名無しさん 2019/07/05(金) 23:45:10.25 ID:NFgXdEsv
果南「ふぅ。そんで……インスタか」

果南「えーーっと…んー。あ、これか…」

果南「これが鞠莉で……ぁ、これダイヤか」

果南「……ふーーん」

果南「!!」

果南「ぇ」

果南「ぁ」

果南「………あー、うん」

果南「ね。そうね。そっか、まぁそうだ」

77: 輝きたい名無しさん 2019/07/05(金) 23:47:12.79 ID:NFgXdEsv
果南「……………」

果南「……………っ」

果南「…ぅ………ぁ…」

果南「(こんなの私は見たくなかった。誰なんだろう。私の知らない、東京の男)」

果南「(手を繋いで。この写真を撮ったのは誰なんだろう。あぁそうか、私だけじゃないんだ、鞠莉の居場所もないんだ)」

果南「(優しそうな、真面目そうな、どっちか告白したんだろう。ハグ…したのかな。したんだろうな。キスもしたのかな。もしかしたら…セ●クスも。ダイヤはもう、子供じゃないのかな。……気持ち悪いな、私は)」

果南「(ダイヤは、染まってなんかいなかった。ただ、内浦で私たちに見せた顔を、私の知らない男に見せているだけだ)」

78: 輝きたい名無しさん 2019/07/05(金) 23:48:46.29 ID:NFgXdEsv
果南「(だったらせめて、だったらせめてお願い)」

果南「(その男がつまらなくて、つまらないだけの優しい男で、何にも特別じゃない男であって)」

果南「(平々凡々とした全う過ぎる常識人で。ダイヤがその男に、私にくれたのと同じものを与えるなら。私がダイヤに与えた楽しさも面白さも喜びも、何だって与えることの出来ない男であって)」

果南「(その男がダイヤの心も身体も何もかもを奪ったとしても、その男がダイヤに与えられるものは、何もかも価値のないものであって。私を忘れないで、私を上書きしないで。ダイヤの心から追い出さないで)」

言ってよ言ってよ、ねぇ誰か。
まだ私はまだ、ダイヤの中に居れるって。言ってよ言ってよ、お願い誰か………

79: 輝きたい名無しさん 2019/07/05(金) 23:49:31.29 ID:NFgXdEsv
────────数日後─新生Aqours・新歓パフォーマンス当日─ライブ終了後

千歌「あぁー!ステージから見えてたよー、来てくれたんだぁー!」

鞠莉「そりゃあねぇ~可愛い後輩だもの」

梨子「ダイヤさんも遠くまでわざわざ…」

ダイヤ「良かったですわよ。皆さん…ルビィもね」

ルビィ「もう、なんでも出来るもん」

善子「こいつ…ずっと自信満々なのよ、まったく…」

果南「まぁまぁ、自信があるって良いことだって」

花丸「善子ちゃんも大概ずら」

善子「ヨーハーネ!」

80: 輝きたい名無しさん 2019/07/05(金) 23:49:58.00 ID:NFgXdEsv
曜「この後どうするの?私たち、さわやかでちょっとした打ち上げみたいなものやるけど…」

鞠莉「もちろん行くわよー?じゃ、マリーが車を出してあげまーす!」

81: 輝きたい名無しさん 2019/07/05(金) 23:50:29.35 ID:NFgXdEsv
────────さわやか─長泉店

「良かったよー」

「あの振り付けさぁ」

「あれは……」

「へー!やっぱり東京は…」

「大変だよー!忙しいよー!」

「あ、新入生はねぇ…」

「準備大変でさぁ…」

「これだよ予定」

「うわぁ…ベリーハード…」

82: 輝きたい名無しさん 2019/07/05(金) 23:51:03.20 ID:NFgXdEsv
果南「(私今日…ダイヤと話せてないな)」

果南「(話すことも…ないけど。席も遠いし)」

花丸「…ダイヤさん、メニュー取ってくれるずら?」

ダイヤ「………!あ、はい」ヒョイ

84: 輝きたい名無しさん 2019/07/05(金) 23:53:33.15 ID:NFgXdEsv
ちょうど中間地点にいた私に、ダイヤはメニューを渡した。いつぶりだろう、目が合った。

いつかの季節が、私の周りに浮かんで消える。

「スクールアイドル?」「そうですわ!学校を廃校の危機から救うにはそれしかありませんの!」
「東京?」「そうですの!私たちが呼ばれたんですのよ!」

「見つかったら怒られますわ!」「平気だよー」
「なんかいいね、体動かしたくなるっていうか」「まぁ確かに、今までやってこなかったジャンルではありますわね」

「やっぱりダイヤ、なにか隠してるでしょー」「違いますわ!私は別に」「ダイヤはごまかすとき、必ずほくろのところを掻くんだよ?」

85: 輝きたい名無しさん 2019/07/05(金) 23:54:24.17 ID:NFgXdEsv
「ほら、私たちと一緒にいても距離は縮まらないよ」「まずは、話しやすい話題を振って…」

「まぁそうなるとは思ったけどね……」「どうしてですの…」「だいたいダイヤは、自分から近づこうとしないからね」「自分から行かないと始まらないよ」「そう言われましても…….どうすれば」

「真面目でちゃんとしてて、頭が良くてお嬢様で…本当は、すごい寂しがり屋なのにね」

「ハグゥゥ…」「ちょ!ちょっとぉ!ったくもう果南さん大丈夫かぁ!?」

「ルビィ…」「何か気に入らないことでもしたんじゃないのー?」「そんなこと!」「どうするんですの!?」「諦める……?」

「実は私も、東京の大学に推薦が決まりましたの」

「私は海外でダイビングのインストラクターの資格、ちゃんと取りたいんだ」

「ここには誰も残らず、簡単には会えない事になりますわね」

「雨…ですわ」「またぁ?全くダイヤはぁ」「待って私!?雨女は鞠莉さんでしょ?」

「ダイヤもしばらくの間にずいぶん身体がなまったんじゃないの~?」「私を本気にさせましたわね!!」「そう来なくっちゃ!」

「絵馬になんて書いてきたの?」

「それは内緒ですわ」

「でも、私が書いたことは、現実になるんですわよ────」



思い出に溺れそうになって、息が詰まって。
慌てて現実に帰る。

86: 輝きたい名無しさん 2019/07/05(金) 23:55:09.00 ID:NFgXdEsv
果南「…あ、うん」スッ

ダイヤ「……ありがとうございます」

その後も、皆で楽しく話した。何も…覚えてはいないけど。

ダイヤ「あの…私そろそろ」ガタッ

千歌「えっ!もう帰っちゃうの?」

鞠莉「ダイヤ~?も・し・か・し・て、TOKYOから一緒に来た、素敵な王子様かな~?」

梨子「えっウソ…!」

87: 輝きたい名無しさん 2019/07/05(金) 23:55:38.45 ID:NFgXdEsv
善子「リア充!?許すまじ!」

曜「さすが大学生だね…」

ルビィ「ル…ルビィの…お兄さん!?」

ダイヤ「な、何を言ってるんですのルビィ///」

鞠莉「でもー、一緒に住んでるんでしょ?進んでるわよね~流石TOKYO♡」

ダイヤ「もう…鞠莉さん…///」

千歌「はぁ~、すごいね。じゃあ寂しいけど、またね」

88: 輝きたい名無しさん 2019/07/05(金) 23:56:26.04 ID:NFgXdEsv
「楽しんできてね~」「お幸せに!」
「またねー」「次のライブも絶対来てね!」

ダイヤ「じゃ、行ってまいりますわ…もう少しこちらにはおりますので、また…」

私はそっちを見なかった。
私はそっちを見なかったんだ。
ほんとは、耳も塞ぎたかった。

89: 輝きたい名無しさん 2019/07/05(金) 23:56:57.30 ID:NFgXdEsv
果南「ねぇ、花丸。あのさぁ…」

他の皆はもうちょっとダイヤを引き留めてみたり、囃したりしていた。
私は花丸に向かって何ともない話をしだした。聞こえてくる後ろの声をかき消すように、私は話し続けた。

花丸はただ黙って聞いてくれた。何故か少し泣いていた。私はそれに気づかないふりをして、構わず話し続けた。

90: 輝きたい名無しさん 2019/07/05(金) 23:57:44.37 ID:NFgXdEsv
花丸「ねぇ、果南ちゃん」

突然遮られた。

果南「………なに?」

花丸「今日、同じクラスの子がね。『今日って卒業したAqoursの三人来るよね?私、多分果南さんの手紙……かな。拾ったんだよね。渡しといて欲しいんだ』って。ダイヤさんからの…だよね」

見覚えのある封筒だ。
果南さんへ、とある。あぁ、今更。
全部遅いよ。全部もう、何もかも遅いよ。

……だけど、私は夢中で開いた。

91: 輝きたい名無しさん 2019/07/05(金) 23:58:25.86 ID:NFgXdEsv
果南さんへ

ずっと一緒にいたのに、全く別の道をゆくなんて。
行き着く未来が違うなんて。もう会えなくなるなんて。
いつかの私たちは、想像もしなかったでしょうね。同じ場所で、同じたくさんの夢に向かってきたというのに。早いものです、季節が過ぎるのは。

10回目の春を迎えたら、お別れが来る。それを知っていたら、初めの春を拒んだでしょうか。
こんなに寂しく、辛いのならば。
いえ。昔の事なんて、気にしても仕方ありませんわね。

92: 輝きたい名無しさん 2019/07/05(金) 23:59:14.72 ID:NFgXdEsv
あれから私たちは、色んなものを手放していった。
自分の変なプライドや、見栄や、自意識や……それが成長というものなのでしょうね。
そして今は、お互い大切な幼馴染を、そして、その幼馴染が一緒じゃないと何も出来なかった自分自身から、手を放しかけているのですわね。

せめて沢山の思い出を。海一杯程の、尽きない思い出を今は懐かしみましょう。この思い出だけは永遠に。……だけどきっと、少しずつ薄れてて、遠ざかっていくのでしょうね。それをわかっていながらも、抱きしめて、ずっと引き留めていたい。

93: 輝きたい名無しさん 2019/07/05(金) 23:59:57.68 ID:NFgXdEsv
携帯のロック画面や、アイコンの右端なんかからも、笑顔で写っていた貴女はいなくなって。
貴女の知らない人が、そこに陣取り始める。
貴女の笑顔は、アルバムにしまい込まれる。
言葉ではそう書けるけど、まだ実感はありませんわ。二度と無い思い出がそうとわかるのは、もっとずっと先なのでしょうね。
今はただ遠ざかるだけ。心はまだ、すぐ傍にいる。

94: 輝きたい名無しさん 2019/07/06(土) 00:00:35.76 ID:auENiXEJ
明日から別々の道を歩くというのに。本当に時が経つのは早いものですわね。
少しだけ大人になったような…けれど、そんな気がするだけのような気もします。
その前に何かする事が、伝えないといけないことがあるような気がするのです。
果南さんにはありませんか。大人のふりをして、伝え残したことが。もしあるのなら、教えてください。

95: 輝きたい名無しさん 2019/07/06(土) 00:01:32.18 ID:auENiXEJ
そしたら……私も、心に残っている想いを貴女に伝えたい。
ちょっぴり大人になったつもりでも、まだ心に何かがある。きっと、それって誰もが通る道なのでしょうね。
それをやりきって初めて、本当に卒業できるような気がします。きっと、そうですわね。
卒業ですね、果南さん。


                 黒澤ダイヤ

96: 輝きたい名無しさん 2019/07/06(土) 00:03:18.81 ID:auENiXEJ
サンシャイン2期全巻購入特典CD『卒業ですね』の勝手な解釈をしてしまいました。 読んでくれた人、ありがとう。

97: 輝きたい名無しさん 2019/07/06(土) 00:13:38.83 ID:tpTlJmox
はじめて泣いた

99: 輝きたい名無しさん 2019/07/06(土) 00:18:15.54 ID:DWBdg9gZ
おつ
かなしい結末やんなあ

100: 輝きたい名無しさん 2019/07/06(土) 00:34:43.63 ID:tlU1O3yO
切なさに胸を締め付けられた

101: 輝きたい名無しさん 2019/07/06(土) 00:54:47.28 ID:5I8AERoH
胸が詰まるような思いです

102: 輝きたい名無しさん 2019/07/06(土) 01:02:43.00 ID:pTmdkHjV
切ないなあ

104: 輝きたい名無しさん 2019/07/06(土) 01:38:38.88 ID:LnV7w2Os
切ない切なすぎる

105: 輝きたい名無しさん 2019/07/06(土) 01:56:16.20 ID:A3qtq1M6
おつ
切ねえなぁ…ここで終わるのが綺麗なんだと思うけどやりきれない
2人で幸せになってほしかった

106: 輝きたい名無しさん 2019/07/06(土) 02:05:38.60 ID:eHMCb7tf
切ねぇ

107: 輝きたい名無しさん 2019/07/06(土) 02:36:19.11 ID:LvlxHTj8
切ないけどよかった…

108: 輝きたい名無しさん 2019/07/06(土) 02:42:20.38 ID:74C+0QU7
つれえわ

110: 輝きたい名無しさん 2019/07/06(土) 08:34:06.44 ID:EsKUh41D
このもどかしくてじれったい距離感とやりきれない切なさめっちゃ好き
かなダイは悲恋が似合いますなぁ……

111: 輝きたい名無しさん 2019/07/06(土) 10:00:13.49 ID:N0olGAUD
せつねえ

112: 輝きたい名無しさん 2019/07/06(土) 10:19:05.21 ID:WmVIdt0b
ダイヤさんに彼氏がいるって事がつれえわ

115: 輝きたい名無しさん 2019/07/06(土) 12:41:42.40 ID:iAyKZ6uZ
>>112
俺らのことやそ

116: 輝きたい名無しさん 2019/07/06(土) 13:09:02.66 ID:9ve6XOZ9
ダイヤ(勝手に彼氏面されても困りますわ...)

114: 輝きたい名無しさん 2019/07/06(土) 11:26:06.50 ID:3h1KNRUg
あまりにも切なすぎるのだ・・・

113: 輝きたい名無しさん 2019/07/06(土) 11:04:02.17 ID:Ga0rk79n
いい作品だった。ありがとう

引用元:http://fate.5ch.net/test/read.cgi/lovelive/1562333744/










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